そこで出会ったのが、春日井製作所でした。そこで働く職人さんたちは、現場を見せてくれるだけでなく、タダで機械の使い方や加工技術を教えてくれました。空いている機械なら好きに使っていいとまで。

 結果、私は毎日そこに通い詰め、ものづくりの基礎を学ばせていただきました。春日井さんご兄弟との出会いがなければ、バルミューダは生まれていなかったかもしれません。

倒産寸前の危機で…

 リーマンショックの影響で商品の受注がほぼなくなり、倒産寸前に追い込まれたバルミューダを救ってくれた大恩人もいます。モーターを製造するフジマイクロの丸山忠作社長(現会長)です。

 当時の私は、瀕死のバルミューダにおける起死回生の策として、そよ風のような自然な風が送れる次世代扇風機「GreenFan」のデザイン・設計をほぼ終えていました。ですが、商品化するための最終試作品の製作代や初期在庫費用がありませんでした。あと一歩なのに、形にできない状況でした。

 私はいくつもの銀行に融資を頼み、様々な助成制度に申請しましたが、資金調達のメドはつきませんでした。

 そんな万策が尽きた状況下、GreenFanに魅力を感じてひと肌脱いでくれたのが丸山社長でした。

 試作品の風を浴び、じっくり考えて込んで一言、「いい風だな」と言ってもらえたことは今でもよく覚えています。

 その後、丸山社長には資金面だけでなく技術面でも、GreenFanの商品化に多大な協力をしてもらいました。丸山社長ほど決断力に優れ、豪快で爽快で気持ちのいい人に、私はいまだ出会ったことがありません。