マイノリティー性を代表する“炭鉱のカナリア”

2025年には、マイノリティーと社会との関わりはどのように変化していると思いますか?

:アライシールがなくなるくらい、世の中の「当たり前」になっていてほしいですね。LGBTへの社会認知は急速に広がっていますし、2025年時点では意思決定する層の若返りも進むので、今より格段に状況は改善していると期待しています。

:顧客を広げるため、人事戦略の一環としてと、文脈の違いはありますが、LGBT施策に前向きな企業は確実に増えています。「ありのままの自分を安心してさらけ出せる」という心理的安全性は、企業の生産性と関連するという研究も注目されているので、この動きはさらに加速していくでしょう。

:最近では、トランスジェンダーの学生受け入れを決めたお茶の水女子大学や、アウティング(セクシュアリティの暴露)の禁止条例を設けた東京都国立市などの先進事例も登場しています。また、がんを抱えながら働く人に対する「がんアライ部」の活動も生まれるなど「アライ」の概念も広がりつつあり、その変化の速さに私も少々びっくりしているくらいです。

:LGBTはすべてのマイノリティー性を代表する“炭鉱のカナリア”のようなもの。誰もが自分のマイノリティー性を世間話のように気軽に語り合える。そんな社会が実現するといいですね。

 世の中の常識は意外と簡単に変わるもの。私が片道10㎞の自転車通勤を始めた十数年前は変わり者扱いされましたが、今や珍しくない。LGBTを取り巻く環境もきっと大きく変わるでしょう。

*本記事は、「日経ビジネス アソシエ」2018年9月号掲載の記事を一部改編したものです

「日経ビジネス アソシエ」からのお知らせ
2018年9月号(8月10日発売)の巻頭特集は
「2025大予測 『気が重い未来』の明るい歩き方」です。

 「日経ビジネス アソシエ」は、8月10日発売の2018年9月号を持ちまして、休刊させていただくことになりました。2002年4月に創刊して以降、16年の長きにわたってご愛読をいただき、スタッフ一同深く感謝しております。ありがとうございました。

 最終号となります「日経ビジネス アソシエ」2018年9月号の巻頭特集は、「2025大予測 『気が重い未来』の明るい歩き方」です。

 「人口減」や「超高齢化」「AI(人工知能)の台頭に代表されるテクノロジーの急速な進歩」――。今、これらの変化を背景に社会は激変し、私たちは既存の常識の延長線上にない世界に足を踏み入れつつあります。今後10年足らずで、世の中の景色は一変するでしょう。

 将来予測においては、「気が重い未来」が必ずセットのように語られます。ただ、未来はそれほど暗いものなのか。想定される未来に向けて、私たちは、どんな生き方、働き方にシフトしていくべきか。そうした問題意識から、今号の巻頭特集はスタートしました。

 「副業が当たり前になる社会では、働き方はどう変わる?」「ネットにすべての行動履歴が蓄積される超履歴社会・個人間信用格差時代の勝ち組になるには?」「大量の介護離職者が予想される中、介護と仕事を両立するには?」「空き家3割時代が招く“負動産”トラブルにどう備える?」――。

 特集では、7年後の2025年を見据え、その頃現実になるであろう未来とその課題を大予測しつつ、今からできる備え方を提案しています。将来起こり得ることから目をそらさず、今から準備して生き方、働き方を柔軟に変えていけるのなら、未来は明るいものにできる。これが本特集の最終結論です。

 内容大充実の「日経ビジネス アソシエ」2018年9月号を、ぜひ手にお取りください。