「働き方改革」をリードし続ける「サイボウズ」と「クラウドワークス」。両社に共通するのが、働き手のライフスタイルや仕事の価値観の変化に合わせて、社員がそれぞれの働き方を柔軟に設定できる制度を数多く設けていることだ。両社のトップに、継続的に改革に取り組み続ける理由から、将来の会社のあり方までを語ってもらった。

(写真:鈴木愛子、以下同)
(写真:鈴木愛子、以下同)

3割近くあった離職率

両社ともに働き方の改革を果敢に続けていらっしゃいます。そもそも取り組む必要に駆られたきっかけは何だったのでしょうか。

青野慶久さん(以下、青野):2005年に離職率が28%まで達したことです。それまでにも給与の引き上げや業務改善など、「引き留め工作」はやってきましたが、対症療法に過ぎなかった。抜本的に変える必要があると判断して、人事制度改革に取り組みました。それが今でも続いています。

吉田浩一郎さん(以下、吉田):当社はサイボウズさんの取り組みを追いかけているような状況ですね。2016年7月から、「働き方改革」というビジョンの下で、「ハタカク!」という人事制度をスタートさせ、「副業」「リモートワーク」「フレックス勤務」を一挙に解禁しました。社員の多様なニーズに応えることで、離職率も改善傾向にあります。

 ところで、サイボウズさんではどんな制度から改革を始めたのですか。

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