2つ目は、2人目の出産です。1人目の時は小さなPR会社に勤務していて、産休・育休を取られると困るから辞めてほしいと言われ、専業主婦になり、1年半を過ごしました。2人目は楽天時代で、産休・育休や時短勤務の制度が整っていたので、前回に比べると天国のような環境でしたが、その快適さが私には逆にストレスに。このままだと何も挑戦しない人になってしまうのではないかと危機感を抱くようになったのです。

 3つ目は、子育てと仕事を両立させるため。2人の子供を育てながら働き続けるには、融通が利くように夫婦で起業し、仕事も家庭も協力し合った方がうまくいくのではないかと思いました。

 先にウェブのコンサルタントとして独立していた夫に、楽天を辞める意思を伝えると、最初は反対されました。「2人とも収入が不安定になったらどうするのか」と。そこで、在籍したまま副業の形でできるか会社に打診したのですが、当時はダメでした。

 試しに「広報の家庭教師」というビジネスモデルのプレゼン資料を紙1枚で作成し、友人・知人のツテで複数の企業に提案しに行ったところ、マネーフォワードさん、スターフェスティバルさんなど3社がその場で導入を決めてくださった。これは絶対にニーズがあると確信し、独立の一歩を踏み出したのです。

夫の舩木芳雄氏と、4月に移転・拡張したばかりの東京・浜松町の新オフィスにて(写真:大槻純一)

“教え子”の活躍が喜び

 夫の会社を業態転換する形で「夫婦起業」に踏み切って4年が経ち、現在支援している企業は25社になりました。延べ100人に上る家庭教師の“教え子”たちが結果を出して昇進したり、その企業の業績が伸びたりすることに心から喜びとやりがいを感じます。

 これまで属人的に仕事が進むことが多かった広報・PR業界において初めて、業務を体系立てて整理し、見える化させたのが当社の最大の強み。業務をタスクまで分解し、クラウド上で進行管理しながらOJTでクライアント企業の広報・PR業務をサポートする、というのが大まかなビジネスモデルです。お教えしたノウハウはできるだけ相手側に蓄積していってほしいので、電話で相談を受けた場合でも返事はスラックで返す。後から検索しやすくするためのこだわりです。基本料金は1社当たり月額20万円から。個別業務は請け負わず、指導に特化することで、この低価格を実現させました。