全2505文字

「天領」以外の店舗では、どのように取り組んでいったのですか。

 全国にいる社員全員が「やり切る」のは本当に難しいんです。変わったと思っても、すぐに元に戻ってしまう。ふらりと店舗を訪れてみると、POP(店頭販促)が使われずに山積みになっていたこともある。そこで始めたのが全国の店舗を回ること。それが私の苗字を取って名づけた「ホシキャラバン」です。社員を鼓舞し続ける方法を考えた末の結論でした。

 一緒に店舗を回りたいと志願する社員とともに、マイクロバスを使って現場に向かいます。運転手を雇うお金はないので、私が大型2種免許を取得しました。店舗では約2時間をかけ、接客の改善点から店内の掃除、商品の陳列、のぼりの立て方まで指導します。経営判断が必要なことがあれば、移動中に関係者と会議をして、すぐに決めます。

 店舗では社員と面談もします。名前だけでなく、これまでの勤務店舗、家族構成も頭に入れ声をかけると、心を許して、様々な情報や問題を話してくれます。改善すべきことが見つかれば、すぐに変えてしまう。始めて1年で400店舗回り、今も全社員1600人のうち、毎週800人以上に会っています。こうして「変化」を目にした社員は、「変わろう」と強く認識し、「すべきこと」を徹底してやるようになりました。

星﨑さん自らがハンドルを握り、店舗を回る。車内では「時間がもったいないから」と会議が開かれる。トランシーバーも常備し、車内の社員が関係者とやり取りする(写真上)。毎週800人近くの社員と会って話をする。「週に“9回”は社員と飲みに行きます」(星﨑さん)