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危機感を抱いた社員に、変化はありましたか?

 すぐに危機感が浸透したわけではなく、社員も変わったとは言い難かった。「売り上げを伸ばせ」と言っても「できません」と。そこで社員を一堂に集めて、私から発破をかけることにしたのです。それが毎週月曜日に開く「アクション会議」です。参加するのは会議のテーマに関係がある社員すべてで、全国から召集しました。ただ、この時も社員は「わざわざ行くのは時間のムダ」とやらない言い訳をする。ですが、考えてみてください。演劇を鑑賞する時、DVDで見るのと、劇場でライブ鑑賞するのとでは心の揺さぶられ方が違いますよね。それと同じで、臨場感を体験してもらい、課題を共有したかった。だから参加すべきと突っぱねました。

 会議はひとたび始まったら、休憩を挟まずノンストップで10時間ぶっ通しです。飲食は自由にでき、トイレも勝手に行っていい。実績や課題をすべて話し、やるべきことをどんどん決めていく。緊張感が生まれ、最後まで白熱したままです。この会議はネット中継されているので、社員は誰でも見られます。これを繰り返すことで、社員も少しずつ変化しました。情報を公開しているので「こうすれば利益が出る」など、数字を頭に入れた意見も出るようになりました。

アクション会議はスピードも重視。「後ほど」「別途ご相談」はNGワードだ

社員の実際の行動も変わってきましたか?

 少しずつです。長年赤字だったため、社員は自信を失っていました。0円レンズを廃止して、売り上げを伸ばすにはどうすべきか分からなかったと思います。ただ、私から見ればやれることはたくさんあった。そこで、全国300店のうち、自ら直轄で運営できる店舗を6つ作り、「天領」と名づけて、まずはその店舗の改革を始めました。論より証拠で自分の背中を通じた説得を試みたのです。

 接客の練習のほか、チラシを配る、看板を磨く、のぼりを立てるなど、些細なことですが徹底してやり切ると、少しずつ売り上げが伸びてくる。その様子を見て、社員からも、「接客はこの方がいい」などアイデアが出てきました。こうした試行錯誤の末に、細かく目の検査をして販売する方法を確立しました。今では有料の検査も実施し、1時間近くかけて一人ひとりに適切な眼鏡を提案しています。