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28歳で未知の世界に

 私は28歳の時、10年近く続けていたミュージシャンの活動をやめ、全く未知の「ものづくり」の世界に飛び込みました。ものを作ったこともないし、作り方も知らない“ど素人”からのスタートでした。

 はたからは、単に無謀な挑戦にしか見えなかったでしょう。ですが私は、クリエーティブなことなら何とかなるという自信はありました。それは自分のコアに「クリエーティブなことをしていたい」という思いが強くあったからだと思います。

 「28歳からよく思い切ったことができましたね?」と聞かれることがありますが、私のこの“大転進”は、状況に合わせて自然に適応しただけのことなんですよね。状況によっては、ものづくりではなく、詩人や作家を目指していたかもしれませんが、それでも自分のコアを見つめないままに変わろうとはしなかったと思います。

 「自分のコアは何か」。多くの人は、自分について考える時間が少なすぎると思います。だから、何かを変えたいと思った時は、じっくり時間を取り、自分の中で言葉を重ねてしっかり考えるようにしましょう。

 人は他人のことはよく見えても、自分のことはよく見えません。鏡をじっと眺めるように、自分を見つめることが大切です。