ビジネスの世界では「強くて賢い⼈」が勝ち続けられるわけではない。世の中は常に変化している。“同じ”賢さや強さはいつまでも通⽤しない。だから「変化」が必要になる。バルミューダ寺尾玄社長が語る「変化し続ける」ために必要なこととは?

バルミューダ社長
17歳の時、高校を中退。スペイン、イタリア、モロッコなど、地中海沿いを放浪。帰国後、音楽活動を開始し、大手レーベルと契約するなど、バンド活動に専念。2001年バンド解散後、モノ作りの道を志す。工場に飛び込んで教えを請うなど、設計、製造を独学で習得。2003年、バルミューダデザインを設立(2011年4月、バルミューダに社名変更)。同社社長。“そよ風”のような優しい風が心地よい扇風機「The GreenFan」や、スチームを使った絶妙な焼き加減を実現したトースター「BALMUDA The Toaster」など、業界を席捲するヒット商品を開発・販売。新商品はオーブンレンジ「BALMUDA The Range」。著書に『行こう、どこにもなかった方法で』(新潮社)がある。(写真=稲垣純也)
「生き残るものは強いものではない。賢いものでもない。変わり続けることができるものだ」──。これは、進化論を唱えたダーウィンの考えから生まれた教訓で、「変わり続けることが大事」という意味で使われています。
なるほど、確かにそうかもしれないな、と。ビジネスの世界でも、「強くて賢い人」が勝ち続けられるわけではありません。もちろん強さや賢さは、あって困るものではなく、むしろ身につけるべきものですが、世の中は常に変化しています。“同じ”賢さや強さは、いつまでも通用しない。だから、「変化」が必要なのです。
結局、どんな人も組織も、世界や社会といった“大きな存在”の下で生きている以上、変わり続けないと生き残れない。「変わるべき時に、変われるかどうか」。そこが重要です。
“時”の見極めは難しい
ただ、「変わるべき時」の見極めはかなり難しい。世の中の状況やルールが変われば、昨日までの努力がムダになることがある。そうならないためには、“変化の兆し”を捉えて、いち早く臨機応変に対応する必要がありますが、状況がゆっくり変化している場合は感知が難しく、対応が後手に回りやすい。一方で、「変化し続けなければ」と焦ると、変えなくていい状況で変えて失敗してしまうこともあります。
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