アジア最大級のスクール
主な事業は、アジア最大規模のサッカースクール「ソルティーロ ファミリア サッカースクール」や、オーストリアのクラブチーム「SVホルン」の運営といったサッカー関連事業(このほか、豪州、カンボジア、ウガンダなどのクラブチームの運営にも参加)です。
また、アスリートのセカンドキャリア支援事業「Next Connect(ネクコネ)」や、スポーツのコーチと指導を受けたい人をマッチングさせる事業「Now Do」、千葉・海浜幕張にある「ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA」や金沢大学・金沢市との共同プロジェクト「金沢大学 ソルティーロフィールド」などのスポーツ関連施設運営事業、アスリートのマネジメントも手がけています。
中核事業となるサッカー関連では、中高生を対象としたクラブを計5つ保有し、サッカースクールも含めると小中高合計で4500人くらいの子供たちが所属しています。特に2012年にスタートしたスクールは、「18年までに300校に拡大する」と本田が大きな目標を公言してしまったため、メディアで話題になりました。
実際、かなりのスピードで規模を拡大し、現在では中国、タイ、豪州など海外を含めると83校(18年5月末現在)になりました。アジアでは最大級のサッカースクールになったため、スタッフの1人としては感慨深いですが、300校という目標は達成していない。でも本田は、一度立てた目標は変えません。大きな目標をぶち上げたからこそ、今の結果があると考えているからでしょう。

失敗ではなく目標を見る
本田が小学校の卒業文集で、「大人になったら、セリエAで10番をつける」と書いたことは、今では広く知られるようになりました。そのエピソードは、高い目標を立ててそれを公言、自分にプレッシャーをかけ、努力で実現していくという思考回路を子供の頃から持っていたことを示しています。
もちろんその過程では、実現できなかったことや失敗、挫折も山のようにあり、本田自身「失敗の体験は誰よりも多い」と常日頃から言っています。なぜそれでも平気なのかと言えば、成長を楽しみに進んでいるからでしょう。本田は目標しか見ていない。だから一個一個の失敗は気にならない。それがメンタルの強さにつながっていると私は分析しています。
よく知られている話ですが、本田は15歳の時、ガンバ大阪のジュニアユースからユースに昇格できませんでした。結局、星稜高校に進み、挫折感をバネにして自らを鍛え、プロ入りを果たします。
本田には、目標に向けて何をすべきかを緻密に考えられる力と、失敗を失敗と思わない強いメンタルがあります。だからこそ挫折を乗り越えて、別の選択肢からプロ入りを実現できた。そもそも、当時から海外の一流クラブでプレーすることしか考えていなかったから少々のことがあっても「前に進んでいるよね」と思えている。
ビジネスについても、一つひとつの失敗をあまり気にしないのは同じ。超ポジティブ思考です。やってみてダメならダメでいい。いいか悪いかの判断を早くしたい。
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