40代で英語を学んだ経験が80代で大いに役立った

2017年にリリースしたiPhoneアプリ「hinadan」。世界で8万人以上がダウンロードした
2017年にリリースしたiPhoneアプリ「hinadan」。世界で8万人以上がダウンロードした

「シニア向けのアプリがないなら自分で作ろう」と考える発想がすごいですね。

若宮:「興味があることには迷わず挑戦すべき。何歳から始めても、遅すぎることはない」という信念があるからです。40代の皆さんも、「今さら」は禁句。「モノにならないのでは」などと心配せず、ちょっとかじる程度で構わないので、とにかく挑戦してください。

 ちなみに、私が英語を本格的に勉強したのも40代でした。ネイティブのように話せるようになったわけではありませんが、少なくとも英語に対する苦手意識はなくなりました。その経験がなければ、80代で国連に招かれて英語でのスピーチを頼まれた時に、「とても無理」と断ってしまっていたかもしれません。

ちなみに、プログラミングの経験はあったのでしょうか?

予定は「グーグルカレンダー」で管理。自宅のパソコンで入力し、出先ではスマホで確認する。「紙の手帳は20年前にやめました」(写真:鈴木愛子)
予定は「グーグルカレンダー」で管理。自宅のパソコンで入力し、出先ではスマホで確認する。「紙の手帳は20年前にやめました」(写真:鈴木愛子)

若宮:ありません。近所の書店でプログラミングの本をたくさん買ってきて、勉強するところからスタートしました。分からないところは年下のお友達に教えてもらいながら約半年かけて作りました。

 私はもともと銀行員で、パソコンを始めたのはリタイアする少し前からです。当時、同居していた母の介護が必要だったので、「介護で家から出られなくなるかもしれない」という心配をしてました。「出られなくても外の世界とつながりたい。人とおしゃべりがしたい」という一心でパソコンを買い、パソコン通信を始めたのです。

 それまではパソコンをほとんど触ったことがなかったので、セットアップだけで大苦戦。パソコン通信ができるようになるまでに3カ月もかかりました。“おしゃべり”する場として入会したネット上のシニアサロン「メロウ倶楽部」に映し出された「マーチャン、ようこそ」の文字を見た時の感動は、今でも忘れられません(「マーチャン」は若宮さんの愛称)。

 それからはパソコンを使ってのおしゃべりや情報収集の楽しさにのめり込んでいきました。テクノロジーがリタイア生活を豊かにしてくれたのは間違いありません。

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