馬ではなく牛になれ

 そして第3は、やはり「若い人の指針となるようなアドバイスを惜しまない」ということだ。20代半ばの芥川龍之介と久米正雄宛の手紙では、「馬ではなく牛になれ」と説いている。

 「あせつては不可(いけま)せん。頭を悪くしては不可せん。根気づくでお出なさい。世の中は根気の前に頭を下げる事を知つてゐますが、火花の前には一瞬の記憶しか与へて呉れません。うんうん死ぬ迄押すのです(以下略)」

 「根気」と「火花」の対比は、今日でも通用するだろう。創作も事業も「継続は力なり」だ。ただし重要なのは、言葉の中身ではない。その言葉に、どこまで説得力を持たせられるかだ。それは自らの経験と“魂”をどれだけ真剣に伝えられるかということでもある。

“信頼を得る”ための3つの技
  • 「褒め言葉」に責任を持とう

    いい仕事を高く評価し、褒めるのは当たり前。言葉だけではなく、人を紹介したり、よりレベルの高い仕事を依頼したりといったレスポンスをすることで、当人のモチベーションはさらに上がり、信頼関係も高まるはず

  • 人の「弱さ」に寄り添おう

    好調な人を応援するだけではなく、不調な人にも声をかけることが重要。「たとえ世界中を敵に回しても自分は味方」ぐらいのことを言えれば、当人は心強く思うはず。ただし、口だけでなく、行動を伴う必要があるのは、1と同様。

  • “魂”から発するメッセージを持とう

    自分の発する「人生訓」に耳を傾けてもらえるか、それとも聞き流されるかは、言葉の内容よりも、普段から努力する姿勢や人柄が大事。ガチリと鉱脈を掘り当てる努力のない人の言葉はむなしい。詳しくは『私の個人主義』の一読を。