雑談の最中、相手が視線を落としてスマートフォンを見たり、あくびをしたり、急に別の話題を振ってきたりした時は、自分が話している内容を疑った方がいい。話術や資質ではなく、“ネタの問題”なのだ。

(まとめ:島田 栄昭)

齊藤 孝(さいとう・たかし)
1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。累計部数1000万部を超える著書を送り出したベストセラー作家でもある。2018年2月に、ビジネスに役立つ実践的な“人づき合いのコツ”をわかりやすく解説した『大人の人間関係力』を上梓。(写真:平野 敬久)

 話がつまらない人と思われることは、辛い。面と向かってそう言われなかったとしても、自分が話している最中に相手が退屈そうな顔を見せれば、いたたまれない気持ちになるだろう。

 なぜ、つまらない話しかできないのか。それは話術や資質の問題ではない。ネタが悪いのだ。世間の話題に疎く、個人的な話しかできないとすれば、つまらないのも当然だろう。

 どれほど凄腕の料理人でも、食材がなければ腕の奮いようがない。逆に新鮮な食材さえあれば、腕がどうであれ(むしろ余計な手を加えない方が)、その鮮度で価値をアピールできるはずだ。

甲子園の高校野球を全試合見る理由

 では、「つまらない」と思われないための“新鮮なネタ”をどうやって仕入れるか。何も難しく考える必要はない。世の中には情報が溢れているから、見当をつけて”釣り糸”を垂らせばいいだけだ。

 最も身近なところでは、テレビ番組でもいい。「若者のテレビ離れ」が言われて久しいが、そんな風潮に逆らうように、私は日々、大量の番組を見ている。それも硬派なニュースやドキュメンタリーのみならず、バラエティーやトーク番組、ドラマや映画、それにスポーツ中継も欠かせない。その中から、ネタになりそうな話題を拾っていくわけだ。

 甲子園の高校野球は、全試合を録画して見る。つい人に話したくなるような“ドラマ”が、少なからず起きるからだ。こればかりは、スポーツニュースではダメ。リアルな映像で見るからこそ、人に伝えられる。

コミュニケーションが専門で、TVなどのメディアで活躍する明治大学教授の齋藤孝先生。“1000万部超え著者”でもある齊藤先生が、ビジネスに役立つ実践的な「人づき合いの技術」を1冊の本にまとめました。

コミュニケーションが少々苦手で、人間関係にストレスを感じ、仕事や生活が何だかうまくいかない――。『大人の人間関係力』は、そんな悩みを持つ人に向け、偉人たちの教えや自身の経験に基づく「人づき合いのコツ」をわかりやすく解説しています。

読めば、日々の人間関係のストレスから解消され、毎日がラクに。是非、お手に取ってご覧ください。