「サッカー以外のことは飽きやすく、1つのことが続かない性格」と自認するサッカー日本代表GK、川島永嗣選手。にもかかわらず英語を含めて6カ国語を学び、海外で活躍してきた。川島選手流の語学学習を続けるコツを聞いた。

(聞き手=高島 三幸)

通訳を介したコミュニケーションに感じた限界

<span class="fontBold">川島 永嗣(かわしま・えいじ)</span>さん<br /> 1983年埼玉県生まれ。高校卒業後、大宮アルディージャへ入団。名古屋グランパスエイト、川崎フロンターレを経て2010年FIFAワールドカップで日本代表正ゴールキーパーを務める。ベルギー、スコットランドでプレーし、16年からフランス・リーグ・アンのFCメスに移籍。著書に『本当に「英語を話したい」キミへ』(世界文化社)
川島 永嗣(かわしま・えいじ)さん
1983年埼玉県生まれ。高校卒業後、大宮アルディージャへ入団。名古屋グランパスエイト、川崎フロンターレを経て2010年FIFAワールドカップで日本代表正ゴールキーパーを務める。ベルギー、スコットランドでプレーし、16年からフランス・リーグ・アンのFCメスに移籍。著書に『本当に「英語を話したい」キミへ』(世界文化社)

英語を勉強し始めたきっかけは、海外でプレーするためですか。

 高校卒業後、大宮アルディージャに入団した年に経験した1カ月のイタリア留学が、語学の勉強に駆り立てる機会になりました。旅立つ前に付け焼き刃でイタリア語の勉強をしたものの全く役に立たず、言葉が通じないことの孤独感や、伝えたいことが伝わらないもどかしさを思い知らされました。通訳を介したコミュニケーションは限界を感じたし、コーチや選手が話す内容を通訳を介さずに理解し、伝えたいとも思った。

 でもそれ以上に、若い頃から年1回、英語圏の国に旅行に行くと決めていたぐらい、僕自身海外旅行が好きだったんです。他国の文化を知りたい、もっといろんな考え方に触れたいという欲求や興味が大きかったので。

それが勉強を続けるモチベーションになった?

 体験するって大事だと思うんです。外国人と交流する場に参加したり、海外を旅したりする実体験が、英語を話せればいいなという漠然とした思いから、「話したい」「いろんな文化や考え方を知りたい」という強い欲求に変わるんだと思います。

続かないのは「教材や勉強方法に飽きるから」

最初はどんな勉強をされたのですか。

 英会話のテキストや雑誌の英語特集を買って読んだり、DVD教材やラジオから学んだり、英会話教室に通ったりしてあらゆる勉強法を片っ端から試しました。そこで気づいたのは、1つの方法にこだわる必要はないということです。

 僕はサッカー以外のことは飽きやすく、1つのことが続かない性格です。でも続かないのは、英語への興味が薄れたからではなく、教材や勉強方法に飽きたから。であれば、勉強法にこだわらず、その時々の気分で変えることが、続けるコツだと思いました。

「海外経験を通じて、グローバルに活躍する人材が1人でも多く出てほしい」と川島さん。そうした思いも募り、海外に挑戦する日本人アスリートの語学習得サポートや、幼児と小学生を対象にした、子供がサッカーを楽しみながら英語を学ぶ「<a href="http://globalathlete.jp/english-soccer/" target="_blank">英語サッカースクール</a>」(いずれもグローバルアスリートプロジェクト活動の一環)のアンバサダーを務めている
「海外経験を通じて、グローバルに活躍する人材が1人でも多く出てほしい」と川島さん。そうした思いも募り、海外に挑戦する日本人アスリートの語学習得サポートや、幼児と小学生を対象にした、子供がサッカーを楽しみながら英語を学ぶ「英語サッカースクール」(いずれもグローバルアスリートプロジェクト活動の一環)のアンバサダーを務めている

次ページ 完璧な英語を話している外国人はほとんどいない