「自分事」化させる方法

 仕事を他人事にする人は、組織の力を弱めます。メルカリが掲げているバリュー(編集部注:重要な価値観で、社員に求める行動規範)の1つである「All for One」(全ては成功のために)には、「皆が仕事を『自分事』にしよう」という思いも込めています。難しい課題を成し遂げていくためには、欠かせない意識です。

 当事者意識の強さは、“先天的”なものではなく、経営陣の努力で変えられます。有効なのが「情報の透明化」。当社は個々人の給与額のようなごくわずかな例外を除いて、すべての情報をビジネスチャット「Slack」でオープンにしています。現場の皆が持っている情報と経営の意思決定をしている私の情報とは、ほとんど同じです。

 対象についてよく知っているほど、人は「自分が関わっている」気持ちになれる。そのため、最近、「社内パネルディスカッション」も始めました。経営陣が毎回設定するテーマごとに、何を考えているかを社員の前で包み隠さずに話すのです。

 「経営陣が何を考えているのかが分からない」→「うちの会社はよく分からない」→「仕事を自分事として捉えられなくなる」という“負のスパイラル”が生まれるのを防ぐのが目的です。リーダーが思いを定期的に伝えれば、その下のメンバーは「自分の会社はこういうステージにいるんだな」と理解しやすいですよね。