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「合算ルール」は条件付き撤廃が筋

今後、どのような考え方で議論を深めていくべきでしょうか。

 モデル就業規則は、許可制などの形で会社側が基準を設定し、その下で副業・兼業を認めるという方向で改めればいいでしょう。厚労省でも、17年度中の変更をメドに見直し作業を進めています。

 合算ルールは、先のA社・B社の例で言えば、B社に時間外手当の支払い義務が生じるというのはあまりに不合理です。副業という労働を、事業主が労働者に強いているわけではありませんし。

 副業の内容や労働時間を労働者に申請・届け出てもらったうえで、労働時間や健康状態を個々の事業主が把握し、労働者の健康・安全に配慮する――といった条件の下で、合算ルールを撤廃するのも1つの考え方かと思います。労災の支給基準は、複数職場の賃金の合計額に基づいて給付額を計算する方式に改めればいいでしょう。

 自由な働き方を選択できるような社会を目指すという国の施策の方向性には賛成です。ただ、労使双方にリスクが残ったままでの“見切り発車”では、結局は絵に描いた餅になりかねません。