新しい人に寛容で混じりやすい

新しい文化は生まれ続けるか。写真は渋谷センター街(写真:的野弘路)

長谷部:はじめて渋谷に入ってくる30~40代の人は日本中から来ます。たぶん転勤などで一度は渋谷区に住んでみたいと思ってくれているみたいです。

 ただ同じ年代で渋谷から出ていく人は住環境が原因です。子供が保育園くらいまでならいいのですが、小学生になると子供部屋がほしいということになり、家賃が高いので近隣に出ていってしまいます。

 こうした状況を踏まえれば、渋谷に思いを持っている人は多いはずです。「良い街とはどういう町か、一言で答えてほしい」という無茶な質問をよく受けますが、あえて答えると自分が住んでいる街にプライドを持っている人たちが多い街でしょう。そのバロメーターの1つとも言えますが、定住をもっとしてほしいと思います。

 経営の視点でいうと、子供世代に投資をして、保育園にはお金はかかりますが、それが終わると出て行ってしまうのはちょっとなと正直思います。地域のコミュニティーを形成する意味でももう少し長く住んでもらうようにすることが課題です。

 この街は新しい人に対して寛容です。30年以上住んでいる人が少ない。長くても戦前、前後くらいに来た人です。自分たちも出てきたという感覚があるので、新しい人たちに排他的になりません。決して家賃が安くないので、いやいや来ている人は少ない。混じりやすいから新しい文化が生まれるんだと思います。

 私は原宿で生まれ、育ちました。小学校の時は竹の子族、中学校の時はDCブランド、高校の時はアメカジ、シブカジ、その頃にイカ天ブームがあって、その後のギャルとか渋谷系。全部ストリートから生まれているカルチャーです。ホコ天とか多種多様な人、人種も性別も世代もいろいろな人が混ざり合って「シブヤ」という文化を表現して、そういったファッションが生まれてきました。僕は肌感覚としてそう思います。

 そういうことが起きている街だから、多くの人が来てみたい、住んでみたいと思ってくれているのではないでしょうか。