特区はいつ頃までに実現する考えですか。

長谷部:オリンピックまでには道筋をつけたいと考えています。渋谷駅の開発では道筋が見えています。

 渋谷区としては甲州街道沿いにも力を入れたい。新宿駅の南は渋谷区です。笹塚などにもいいエネルギーを感じていて、僕が中学生くらいまでの恵比寿に似た雰囲気を感じています。

 僕が中高生の頃の恵比寿はビール工場があって、駅前にラーメン屋とボーリング場くらいしかなくて、代官山のファッションの匂いが、だんだん浸食してきていました。ガーデンプレイスの開発で人口が増えて、川沿いで飲食店が増えて。古い人がいるけど新しい人に寛容で。

 今の笹塚にも同じような匂いを感じています。文化系の人も多いですよね。

 街づくりって行政が主だと思ってやると滑るんですよ。ビジョンやコンセプトは一緒に作りますが、文化は民間が作ります。その人たちがアクティブに生活、商売がしやすい雰囲気をいかに作るかだと思います。

渋谷区生まれ、渋谷区育ちの長谷部区長。シブヤの空気を肌で感じてきた(写真:的野弘路)

企業は若者消費が見えづらくなっていますが、どのように感じていますか。

長谷部:ネットの買い物だと見えづらいですよね。

 ただ、草食と言われる人も増えているかもしれないけど、肉食の人もいると感じます。ある意味、僕らよりスマートだと感じます。若い人がクルマを買わないと言われますが、クルマが要らないのってエコですよね。

 若者の心配はしてなくて、それは大きなお世話ですよね。時代が変われば、ニーズが変わるし、生き方も変わると思います。

 より両極端になっているのは感じます。より世界で戦いたいと思う人と、とことんローカルに行く人と。その変化の潮流が見えてないと、つらいと思います。

 渋谷はマーケットとして分かりやすい。渋谷区は東京の縮図です。裕福な区というイメージかもしれませんが、天現寺、広尾、富ヶ谷、千駄ヶ谷、甲州街道沿いなど、街によって全部色が違う。

 渋谷区の街自体に多様性があります。ここで受けるものは、東京で受けると思います。

 消費動向で言うと、渋谷駅周辺の消費動向も重要ですが、トレンドを生み出すにはもっと多様な消費行動を取り込む必要があるでしょう。そう考えれば、多様性がある渋谷区全体の感度が日本全体をリードしていると思います。

 渋谷にはいろんなものが来て、混じり合っていく。日本だけでなく海外からも集まっています。外国人の人口が1万人を超え、国籍は100以上に達します。