歩行者天国を取り入れたい

渋谷駅周辺にはニトリやドン・キホーテなど郊外で一般的な大型商業施設が存在感を高め、今は東京急行電鉄グループが大規模な再開発を進めています。シブヤらしさが失われつつあるのではないでしょうか。
長谷部:それも外に広がっている感じがしています。「オクシブ」、「オクハラ」とか言われますよね。それは心配していないです。
大規模商業施設が出来たら、また新しいシブヤらしいエリアができるということですか。
長谷部:隣接したところにシブヤらしいエリアが広がっていますよね。行政としてはクリエーティブやエンターテインメント特区みたいなものをやりたいと思っています。
東急さんは正統派のエンタメが多いですよね。それだけではなくストリートカルチャーが生まれるような雰囲気を作りたい。大きなビルからなかなか生まれないので、警察と相談して歩行者天国などを取り入れて交わる場所を作りたいと思います。
大中小を問わずエンタメ施設を作りたくて、その場合は容積率を緩和するとか。ただ単に緩和するだけでなく、サービスアパートメントやシェアハウスとかを提供したいと考えています。
規制を緩和することで、敷居を下げるということですか。
長谷部:敷居というか、エンタメ施設がもっとできやすい仕組みを作りたいと思います。
渋谷区生まれ、渋谷区育ちなので渋谷びいきになってしまいますが、渋谷はカルチャーの一番の発信地だと思っています。この利点を増やしていかないと、東京の魅力が失われてしまうと思います。
東日本大震災の後に、外資系企業はアジアのヘッドクオーター(本社)を東京からシンガポール、上海などに移していきましたよね。市場や優遇税制などを考えると仕方がない流れかもしれません。
でもカルチャーでは勝ってるはずです。クリエーティビティーでは世界で上位に来ているので、自信を持っていいと思います。それを表現する場所としては渋谷区が東京の中で一番ですから、そのポテンシャルを生かしていくべきだと思っています。
区長に就任した時に大風呂敷を広げたつもりはないんですけど、「ロンドン、パリ、ニューヨーク、シブヤク」と言いました。クで韻を踏んでいるんですけどね。私は成熟した国際都市を目指そうと言っています。そのためには、カルチャーが果たす役割が大きい。
僕らの世代がクリエーティブの観点で留学先を探す際は、ロンドン、パリ、ニューヨークが多かったので、そこに東京が入ってもらうためには渋谷が頑張らないといけません。アジアの人たちからすると欧米は遠いから、東京を選んでほしいと思います。
ダンサーでは世界で戦えている日本人はたくさんいますが、全部日本を飛び越えて、いきなり海外に行ってしまいます。渋谷にたくさん舞台が出来れば、まずは渋谷を目指そうということになります。
トップレベルのクオリティーがあれば、アジアから人が集まり、結果的に渋谷の価値が高まるでしょう。
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