60歳ぐらいの人からファンレターも

ユーチューブのメディアとしての特徴や強みは、どのようなものでしょうか。

関根:根本的には、動画を編集できる点は非常に重要だと思います。自分が作りたい、見せたい動画を作れるところはすごく魅力的で、これまで見ることがなかった人がどんどん流入してくるプラットフォームとしての大きさも価値があります。今はライブ配信の動画サービスも増えていますが、編集された動画とはやはり視聴者にとっての見え方が全然違います。

 視聴者層に関しては、私のイベントなどに来ている人たちには若い子が多いですが、実際に動画を見てくれているのは同年代の人も多いと思います。時には、60歳ぐらいの方からファンレターをいただくこともありますよ。視聴の仕方も、例えば私の場合はBGMのように流しながら、一緒にメークをするという人もいますね。楽しみ方は多様化しているのではないでしょうか。

自身も不器用という関根さんは、視聴者と同じ消費者の目線を大事にするという(写真:竹井俊晴)

今では、大手化粧品メーカーなど企業とのタイアップや、PRの依頼も増えていると思います。大事にしている部分はどのようなところですか。

関根:私は企業にこびるのではなく、見てくれている子が損をしない買い物ができるように、また、不器用な子が初めてメークをした時にどう思うか、という点を大事にしています。私自身、すごく不器用で、説明書を読むのも嫌いなんですよ(笑)。みんなと同じ消費者という立場で、例えば100円の商品でも良いものは良い、悪いものは悪いとはっきり言います。

 最初はそうしたスタンスに、意見もあれこれ言われたんです。でも、それを続けていくことで、悪い点をきちんと評価することも含め、私の正直さを認めてくれる人が増えてきました。それが今につながっていると思いますね。

 企業とのタイアップについては、色々と考えるべきところはあるんです。自分が自由に作っている動画であれば、良し悪しをはっきり口にしますし、それをメーンに据えることができる。ただ、企業提供のPR動画であればそれは難しい部分もありますよね。だから、私の場合はまずお話をいただいた時に商品を自分で試して、自分なりの判断をするようにしています。

ダメだと思ったら断ることもありますか。

関根:無理だなとか、今までの商品と何が違うのか疑問に思った時には。一方で、単純に面白いと思った時にはお引き受けすることももちろんあります。自分が興味をきちんと持てるものでないと、実際に動画になった時にいつも見てくれている子に伝わってしまいます。「今日はすごく違いますね」とか、「実際は思ってないでしょう」とかね。正直さというのは、本当に大切なところだと思います。

汚い方が思いが伝わることもある

企業からのPR依頼時には、まず商品を自分で試すという関根さん(写真:竹井俊晴)

関根さんから大手企業の姿勢に対して、指摘したいところはありますか。

関根:企業の担当の方にもよると思いますが、大手はやはり、商品をしっかりと、綺麗に見せたいという意識は強いと思いますね。化粧品はブランド商品ですから、もちろんそれは重要だと思います。ただ、商品への愛が強すぎるが故に……ということもあるでしょうね。

 例えば、「指紋がついているので動画を撮り直してください」と言われた時に、私としてはずっと前から、本当に使い込んでいる様子が伝わった方がいいなと思っていたりもします。極端な話、使い過ぎて多少汚くなってしまっていても、それは実際に自分が愛用しているからですし、その方が私の思いがより丁寧に伝わるのではないかな、とか。それが難しいジャンルであることは分かっていますが、もうちょっと言えたらなぁと思うこともありますよ(笑)。

 ユーチューバーと視聴者の良さは、その関係性の距離の近さにあると考えています。それをもっと柔軟に考えていただければ良いなと思いますね。せっかくユーチューバーが注目され、私も大企業と一緒にお仕事をさせてもらえる機会が増えているので、コラボ商品の開発に関わるなど、もっと幅を広げるような取り組みはしてみたいですね。