ヒカル氏は「無理だと判断したらすぐにやめる」と語っていた

(写真:的野弘路)
(写真:的野弘路)

ユーチューブ以外に表現活動の場を広げていきたいということですか。

ヒカル:ユーチューバーじゃなくても実際構わないのですが、今はユーチューブ以上に影響力が大きいものはない。今はユーチューブが旬なだけで、旬が別に移れば僕はまた別の分野でやっていく可能性はあります。実際、僕って人気商売じゃないですか。こういう活動をいつまで続けるかは正直、あまり決めていません。水ものだと思っているので、自分の人気がいつまで続くか分からないです。無理だと判断したらすぐにやめるつもりです。

 今や、小中学生の「なりたい職業」でも上位に位置するユーチューバー。その収入源や稼ぎ方についても、ヒカル氏は赤裸々に語った。ユーチューブには、動画の投稿者が自分の動画に広告を表示させ、再生回数に応じて広告収入の一部を受け取れるプログラムがある。さらに、ユーチューバーの存在感の高まりを受け、企業の新製品などのPR動画を制作、配信したり、タイアップのイベントに登壇したりすることで広告宣伝費を稼げる仕組みができつつあるのだ。

年収はどのくらいですか。

ヒカル:移り変わりが激しい職業なので、一概に平均的なことは言いにくいのですが、今年に入って年末までということで言えば、このままいけば多分5億円ぐらいだと思います。割合は、再生回数に応じた広告収益の部分が半分から60%くらい、企業案件が40%くらいですね。比較的、企業案件の比率は高いと思います。

 僕のチャンネルは、再生回数が多いので広告収益も非常に多くなるんです。再生1回あたりの単価は0.1円を大きく上回っていますが、例えば0.03円ぐらいの人もいる。そうした高収益という面も僕の特徴でしょうね。

企業とのタイアップでPR動画も多く制作していますね。

ヒカル:企業からこの商品をPRしてくれという依頼は多く来ます。スマートフォンのゲームなどの会社が多いですが、(ファッション通販サイトの)「ゾゾタウン」からの依頼もあって驚きました。そういう有名どころからも話がありますし、焼肉店など外食業界からの依頼もありましたね。

商品やサービスをPRするうえで、気を付けていることはありますか。

ヒカル:ありのままに視聴者に伝えることですね。僕は企業から依頼が来たとき、面白くない商品やサービスだったらはっきり言いますよ。「これおもんないからウケないと思いますよ」とね。企業からも、「偽りなく、改善すべき点があればあると言ってほしい」という要望が強いです。

 PR動画が僕の視聴者にフィットするか、しないかという点を伝えたうえで、その中でもできる限り、お金をいただいているのでフィットするような動画を作ります。視聴者が興味を持つようにタイトルを工夫するとか、サービス自体に問題があるなら、そのサービスが面白くなるようなプロモーションを組みますね。要はステップを踏むというか、視聴者に十分に興味を持たせた状態で商品の紹介をする、というイメージです。

次ページ 「企業はしょうもない芸能人ばかりをCMに使っている」