ヒカル氏「埋もれるより嫌われる方がマシ」

ヒカル氏は騒動前のインタビューで、「人気商売というのは水もの。自分の人気はいつまで続くか分からない」という心情も吐露していた。(写真:的野弘路)

*8月7日と8月13日のインタビューを編集した。

イベントではヒカルさんが登場するたびに「キャー」という歓声が聞こえました。ユーチューブでは、チャンネル登録者数も動画の再生回数もトップクラスです。人気の秘密は何なのでしょうか。

ヒカル:やっぱり偽りのない言葉を発信していく、人間味のある言葉を常に投げかけていくということでしょうね。それが非難を浴びようが、批判されようが、自分の思ったことをありのままに伝えていく。僕の視聴者というのは結構ちゃんと考える人が多くて、ただ楽しいからというのではなく、僕のコンテンツから色々なものを吸収して欲しいんです。

 ユーチューバーって人気が出てくると、どんどん保守的になるんですよ。人を煽ったり、ちょっと攻撃的な発言をしたりって、有名になればなるほどできなくなってくる。ただ、僕は最初からそうしたテーマを掲げてやってきた。自分でも批判を受けることは分かっているけど、あえてそうしたことをしていかないと勝てない。差異化できないという思いがあります。

 僕なんかは(ユーチューバーとしての活動を)後から始めた方なので、やっぱり圧倒的に個性的でないと興味すら持ってもらえないという意識が強いですね。埋もれるのが怖くて、嫌われる方がまだマシかなと思っています。

 こうしたヒカル氏の言葉を象徴するのが、4月に投稿され、現在まで約1800万回も再生されたある動画だ。「祭りくじの闇すべて公開します」とうたって春祭りの会場に“突撃”。露天の景品くじを大量に購入し、当たりが出ないことを検証した。生々しい店主とのやり取りや率直な表現が話題を集め、人気や知名度が飛躍的に向上するきっかけとなった。

 さらに、インタビューの中で特徴的だったのが、ヒカル氏の強烈な「上昇志向」である。

日本一の個人になりたい

ユーチューブを始めたきっかけや、その時の思いとはどのようなものだったのですか。

ヒカル:僕がユーチューブを始めたのは多分、21~22歳くらいの時です。ユーチューブは僕の中では1つのステップで、ゴールではないと思っています。僕がなりたいものは何かというと、日本一の個人。以前将来のことを考えたとき、「日本一の会社を作る」か「日本一の個人になる」か迷ったんです。でも、自分は会社を経営するような器ではないと判断したんです。

 日本一の個人って、例えば(ダウンタウンの)松本人志のような存在です。大衆に対して圧倒的な発言力、発信力を持っていて、ツイッターのつぶやき1つで国民を動かせるのは松っちゃんだろうなと。経営者でいえば、(ソフトバンクグループ)の孫正義社長がすごいと思いますが、松っちゃんは一個人としてはそれ以上でしょう。だから、僕もそういう存在になりたいんです。

あくまで、ユーチューブは「手段」というわけですか。

ヒカル:僕は別にユーチューブが好きというわけじゃなくて、普段は全然見ないんですよ。どちらかというとテレビの方が好きです。テレビに出られるに越したことはないですけど、今のテレビの世界ってすごく理不尽です。例えば、お笑い芸人としてテレビに出るには、コントなどで面白いネタを披露できて、その上でひな壇などでトークができないとダメ。僕はトークだったら今のお笑い芸人とも互角にたたかえる自信があるけれど、ネタは持っていないんです。

 でも、ユーチューブだったら自分のチャンネルだから自由に発信できる。僕がユーチューバーをやっているのは、そういう理由からなんです。ユーチューブだったら、自分で情報を発信して自分でどんどん拡大していける。自分のチャンネルを持っているというのは、ユーチューバーに特徴的なことだと思います。