小野寺:おっしゃるとおりです。

 もう一つ、国際平和協力活動の例を挙げましょう。これまで自衛隊は、特別措置法が国会を通ると、十分な準備や訓練をする間もなく、すぐに派遣されていました。十分な活動をするのが困難な状態でした。いまは、準備や訓練をして臨むことができます。派遣される隊員の安全を保つためにも重要なことです。

 特定秘密保護法も大事な役割を果たしています。国家安全保障会議に上がってくる情報の量は増え、質は高まりました。私が前々回、防衛相を務めたときと大きく異なっています。同法が制定されるまでは、「秘密」を指定するものさしが省ごとに異なるため、情報共有に支障をきたしていました。国家安全保障会議には外務省や防衛省のほか、複数の省から人が集まるので、この点は課題でした。

 また、同法を制定したことで、外国からの信頼が高まり、質の高い情報が寄せられるようにもなりました。英米を中心に諜報活動で協力する「5アイズ」というサークルがあります。英、米、オーストラリア、ニュージーランド、カナダが参加するもの。日本は最近「6アイズの一員」と呼ばれるようになりました。

説明していただいた現状を踏まえて、大綱に反映すべき事項はありますか。

小野寺:これらはすでに盛り込まれています。今後は、米国との間でさらにお互いに補完しあう装備を整えていくことになります。

 CEC(共同交戦能力)の導入が一例です。日米が運用する衛星やレーダー、イージス艦などをネットワーク化するためのソフトです。例えば北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとしましょう。これを最初に察知したのが米国の艦船だったとします。しかし、迎撃するのに最適の位置にいるのは日本のイージス艦だった。CECを介して情報を共有できれば、スムーズな連携を取ることができます。

 もちろん、これを打ち落とすかどうかを判断するのは日本政府です。

CECの導入は大綱に盛り込まれますか。

小野寺:具体的に、どの装備をいつ導入するか、は防衛省が検討していくと思います。予算の問題もありますから。しかし、米軍と補完しあって効率の良い防衛をいかに実現するかを考えるという方向性は示すべきだと思います。

豪印英仏との関係を強めていく

小野寺:加えて重視しているのは、様々な国との防衛協力の強化です。日米同盟を基軸にするのは今後も変わりません。加えて、オーストラリア、インド、英国、フランスとの関係も深めてきています。一国で国を守るのは難しい時代です。様々な国と協力して地域の安定を守ることが大切です。

 オーストラリアとの関係はかなり密接になってきました。ほかの3国との間でも芽が出てきています。いずれの国とも2+2(外務・防衛閣僚協議)を開催しています。