海上自衛隊がこれから開発する新型護衛艦「FFM」も同様の思想に基づいていますね。

若宮:おっしゃる通りです。

防衛装備品を人的交流の糧に

防衛装備品の海外移転についてはどう考えますか。防衛装備移転三原則を2014年4月 に策定し、移転を認め得る場合を明確にしました。

若宮:防衛装備の海外移転が日本の防衛に資するのはもちろん、人的交流の糧になることも重視すべきと考えます。フィリピンに対して貸与したTC-90は、その成功例と考えられます。私は「ソフトの安全保障ネットワーク」と呼んでいます。防衛省の副大臣として2017年、南スーダンでPKO(平和協力業務)に取り組む自衛隊を訪れた時に、次のような出来事がありました。

 首都・ジュバの空港に降り立つとカンボジア軍の司令官と女性隊員が待っていて「カンボジア軍も警護に加わりたい」と申し出てくれたのです。本来なら国連軍と自衛隊、南スーダン政府が担当です。司令官はその理由を「日本は25年前、日本初のPKOとしてカンボジアに貢献してくれた。その誠意に敬意を表すとともに恩返しがしたい。当時の隊員たちにも感謝の意を伝えてほしい」と説明しました。

 同行した女性隊員は「子供のころから自衛隊の仕事ぶりの素晴らしさを聞かされて育った。それに感銘を受け、軍隊に入り、他の国の平和に貢献すべく南スーダンへの派遣に志願した」とのこと。

 これはPKOに関連する例ですが、防衛装備を移転し、メンテナンスのために一緒に汗を流し油にまみれれば、同じような信頼関係を生むことができます。友好国と協力関係を築き、こうした信頼醸成を重ねていくべきと考えます。もはや一国だけで国を守れる時代ではありません。

 多くの海外諸国に、真に信頼できるパートナーだと確信してもらうことがひいては日本の安全保障にも大きく寄与するものと考えております。