今年末をめどに「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」が改訂される。前回の改訂から5年。この間に北朝鮮は核・ミサイルの開発を大幅に前進させた。トランプ政権が誕生し、米国の安全保障政策は内向きの度合いを強める。

 改訂に当たって我々は何を考えるべきなのか。若宮健嗣・自民党国防部会長に聞いた。同氏は、クロスドメイン(領域横断)構想の下で、宇宙・サイバー・電磁スペクトラム戦を担う統合部隊の創設を検討すべきと訴える。

(聞き手 森 永輔)

離島防衛の核となる水陸機動団(写真:ロイター/アフロ)

今回、「防衛計画の大綱」*1と「中期防衛力整備計画」*2を改訂するに当たって、若宮さんが重視するのはどんな点ですか。

*1:防衛力のあり方と保有すべき防衛力の水準を規定(おおむね10年程度の期間を念頭)(防衛白書 平成29年版)
*2:5年間の経費の総額と主要装備の整備数量を明示

若宮:今後10年をにらみ、日本の防衛力のあり方を決めることです。

若宮健嗣(わかみや・けんじ)
1961年生まれ。1984年に慶応義塾大学商学部を卒業し、セゾングループの堤清二代表の秘書を務める。2005年、衆院議員に初当選。防衛大臣政務官や防衛副大臣を歴任。現在は自民党で国防部会 部会長を務める(写真:加藤 康、以下同)

 北朝鮮が開発を進める核・ミサイルが目の前の脅威として存在します。6月の米朝首脳会談で両国首脳が「完全な非核化」に合意したものの、まだまだ進んでいるようには見えません。北朝鮮が核兵器をすでに保有しているのかどうかは明確ではありません。その検証すらなされていない状態です。私は、まだ開発を続けているとみています。

北朝鮮を警戒するだけではすまない

 加えて、核兵器を保有したままもしかすると朝鮮半島が統一されることだってあり得ます。日本は近隣に3つの核保有国を抱えることになります。

 もちろん北朝鮮との融和を目指す姿勢を日本が崩すことはありません。しかし、万が一に備える必要があります。

 さらに、北朝鮮の核・ミサイルだけを見ていればよいわけではありません。防衛大綱は10年程度の期間を念頭に日本の防衛力のあり方を決めるものですから。その視点に立って考えると、配慮すべき要素はほかにもあります。