ドナルド・トランプ米大統領は深層では「日本は日米同盟にただ乗りしている」との考えを抱いています。これが表面化し、米軍を退かせる決断をする可能性は否定できません。実際、欧州において、防衛費の支出が足りないとドイツのアンゲラ・メルケル首相をなじることがありました。

 こうした事態を避け、北東アジアの安全保障に米国を関与させ続けなければなりません。中国の台頭、ロシアの復活、朝鮮半島の問題が目白押しなのですから。朝鮮半島に親中の統一国家ができたらどうなるでしょう。在韓米軍が撤退する事態も生じかねないのです。こうした事態に備え、我々が責任を分担する必要があります。最悪の事態を想定し、備えなければなりません。

トランプ大統領は6月12日の米朝首脳会談後の記者会見で、在韓米軍の縮小・撤収の可能性 に言及しましたね。

自分の国は自分で守る

以上のお話をまとめると、①米国頼みになっている国民の意識を改める、②北東アジアの防衛に米国を関与させ続ける努力をする、③在韓米軍が撤収する事態も視野に入れることが重要、ということですね。一つずつ、内容を確認させてください。

 まず、安全保障政策において国民が果たす役割について防衛大綱に記す必要はありますか。

火箱:今のままの自衛隊で日本を守り抜くことができるのか、を国民に問う必要があると思います。

 例えば我が国は「防衛の基本政策」において「専守防衛」を謳っています。侵略戦争は行わない、という点は大賛成です。しかし、「相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使」するのでは、最初に攻撃を受けた国民は守れないではないですか。この点に軍事的な合理性はありません。

専守防衛:専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢をいう。

 いつの間にやら、矛(攻撃能力)の役割は米軍に依存することになり、自衛隊は何もできないことになってしまいました。これは、相撲に例えれば、手足を縛られたまま戦いうっちゃりで何とかせよと言われているようなものです。

 北朝鮮が配備する弾道ミサイルが現実の脅威として存在している以上、例えば敵基地攻撃能力を備える必要があるのではないでしょうか。これを保持することは「憲法上許される」のですから。