「30年以上研究や材料供給を続けてきました。自社商品を発売するのは初めてです」

 パナソニック子会社、パナソニックエコソリューションズ化研の塚本政介専務は、7月に発売した消臭剤「nioff(ニオフ)」を片手にこう自信を込める。防錆塗料や接着剤、消臭原液などの材料供給を続けてきた同社。売上高は約18億円と小規模で、家電や住宅、AVC事業などと比べると地味な印象は否めない。しかし、住宅の外壁や普段何気なく使用している消臭スプレーや据え置き型の消臭剤、洗浄剤などには同社の材料が使用されていることが多い。年季の入った兵庫県西宮の本社工場からは、その技術研究の歴史の長さを感じる。

パナソニックエコソリューションズ化研では、西宮市の本社工場で消臭剤などの材料開発や製造を手がけている。

横ばいかつ不透明な市場

 30年以上材料の供給を続けてきたパナソニック化研がなぜ今、自社ブランドの消臭剤を販売するのか。既存の消臭剤市場は年間500~600億円程度と見られており、ここ数年横ばいが続いている。生活に身近なものとして家庭に普及したことで、定期的な買い替え需要のみの市場になっているからだ。プレイヤーは決まっており、かつ今後国内市場は人口減少によりさらに縮小傾向が続く見通し。こう聞けば、いまさら参入しても商機は少ないように見える。同社があえて自社ブランドを投入する狙い、それは今回発売したnioffがターゲットとする層に顕著に表れている。