シンガポールの自宅にて。ジム・ロジャーズ氏は地球儀を眺めながら、次の旅行先や投資先を常に考えている

ロジャーズ:次にカザフスタン。この国も豊富な天然資源を持ち、ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領も経済の解放を掲げています。ですが、人口は約1700万人とそれほど多くはありません。世界を引っ張っていく力を持つ大国にはならないでしょう。

コロンビア、マリフアナ輸出で成長

 面白いのはコロンビアでしょう。約半世紀にわたった内戦がほぼ終わりました。この国ではマリフアナ(大麻)が医療用などで生産され使用が合法化されています。マリフアナは他の国や、米国の州でも使用を合法化する動きが広がっています。この流れで、いつか日本やシンガポールでも合法化されるでしょう。コロンビアはマリフアナの輸出大国として経済成長するのです。美しい国で明るい未来があるので、もしあなたがスペイン語を話すなら、ぜひ現地でのビジネスや生活を考えてみなさい。

明るい予測の一方で、米国は悲観的に見ていますね。

ロジャーズ:米国政府は巨額の債務を抱え、幾つかの州や年金基金は実は破綻しています。米国が存続している唯一の理由は、通貨のアメリカドルを発行する権限を持っているからです。米ドルは現在、最も良い通貨と言えます。なぜなら投資家が他の通貨を買いたがらないから。

 確かに英国のEU(欧州連合)からの離脱決定、シリア内戦などの影響で買われている面はありますが、米ドルはバブルのような状況で、過大評価されていると感じます。私は2008年のリーマンショック以降、米国経済の先行きに強気になることができません。

米国の代表的な株価指数、ダウ工業株30種平均も最高値圏で推移しています。

ロジャーズ:確かに指数としては上がっていますが、構成する一部の主要企業の株価が大幅に上がっているだけです。米国株全体で見ると、値下がりしている銘柄も多くあります。今年は年間では、株式相場が下落する年になるのではないでしょうか。