トルコ原発、「先を見通したベストの方向を示す」

トルコの原子力発電所建設計画では、7月末に事前調査の結果をトルコ政府に報告しました。総事業費は当初の2倍超の5兆円規模を見込んでいるようですが、実現性をどう考えますか。

安藤:報告書をトルコのお客様が吟味する時間がある。どういった判断をされるかはわからないが、すべてが選択肢に入ってくる。(建設を)やらないこともあるし、やることもある。各々のケースで、先を見通したベストの方向を示すしかない。

原子力事業に関しては、国内再編もささやかれます。どういったスタンスで臨みますか。

安藤:我々はPWR(加圧水型)で、他社はBWR(沸騰水型)。社長の宮永(俊一)は、シナジーが出ないということに基づき、一緒になる価値はないと話している。私も原則、そうだと思う。私は高砂事業所で育った。ガスタービン屋でもあり、原子力タービン屋でもある。PWRの本筋というのは理解している。BWRのメーカーと一緒になるのはいかがか、と思っている。

三菱重工らしさとはなんでしょうか。また、それをどう生かしていくべきでしょうか。

安藤:ベースは質実剛健。必要になってくるのは柔軟性だ。これからは、何が起きても驚かないような世界になる。だから、常に頭を柔らかくしないとだめだと。厳しい世界を勝ち抜いていくには、何に対してもノーとは言わず、考え始める必要がある。ノーと言えば、お客さんは離れていく。まずは『わかりました』。その上で、考える。しっかりした技術力がベースだが、まっすぐだけではだめ。フレキシブルに対応することが重要だ。

20年近い組織改革のなかで学んだことでしょうか。

安藤:そうだ。我々はいま、キャッシュフロー経営を追求している。これが一つのポイントだ。我々のような朴訥な回転機械屋も、キャッシュイン、キャッシュアウトを頭に入れながら仕事をする風潮になっている。地方の高砂でも、ガスタービンだけをつくっていればいい時代ではないことをわかりはじめている。