ものづくりの力が落ちてきている

14年には日立製作所と事業統合しました。どんなシナジー効果がありましたか。

安藤:2011年以降の石炭火力の国内受注をほとんど取れたのは大きい。三菱重工と日立製作所は人がよく似ていると言われるが、一緒に仕事をすれば、かなり違いがあることがわかる。それで、お互いに影響を受けあった。合わせられるところも、馴染みにくいところもある。ただ、違う世界の意見を聞くことで考え方の幅は広がる。組織、意識の融合はできてきた。さらに全体的な能力を引き上げていくのが私の使命だ。

市況の低迷に関し、GE、シーメンスは大幅な人材リストラを進めます。MHPSは動きが遅いとの指摘もあります。

安藤:MHPSはそう簡単に人を減らすことができない。GEが12000人、シーメンスが6900人減らすと言っているが、そう簡単にできないと思う。日本では、なおさらだ。人を減らすより、うまく活用して事業を伸ばす方向に持っていきたい。できるだけ従業員の住所は変わらないようにしながら、仕事を流動的に変えていく。人員の再配置に関しては、三菱重工グループ、日立グループを含めて考えていく。

ものづくりの力を磨き続ける
ものづくりの力を磨き続ける

競争力を高めるため、さらに強化すべきところはどこでしょうか。

安藤:工場の力、ものづくりの力が落ちてきている。何もしなければ、さらに低下していく。団塊の世代が引退し、卓越した技術を持つ人が減ってきた。AI(人工知能)を使うなどし、技術伝承もされているが、油まみれの世界はそれでは成り立たない。三菱重工が製造業をやめるというなら話は別だが、しばらくは続けていく。

 工場に目を向けるトップマネジメントは必要だ。MHPSは固定費が多い方なので削減していく必要があるが、それで工場を弱くしてはならない。長崎、呉、高砂、日立の4工場をいかに効率よく生かしていくか。4ではなく3とか2になる時代もくるとは思うが、品質やコストなどでそれぞれの持つ能力を融合することで全体を引き上げていく必要がある。

 技術的には、大型ガスタービンは燃焼効率65%の製品の開発まではめどがたっている。次は67%だ。中小型のガスタービンも並行して開発していく。3〜6年のマーケットニーズをみながら、2020年くらいには次世代の中小型製品を導入したい。

再エネ市場は伸びています。成長が予想される風力発電事業は、デンマークのヴェスタスとの出資比率50%ずつの合弁会社で展開しています。

安藤:現時点では、対等の形が一番いいと思っている。ただ、何年先もこのままでいくかというと、そういった考えはない。風車も今後は単体を売る事業からソリューション事業へと向かい。競合もそのように考えるだろう。我々はプラントのEPC(設計・調達・建設)ができる。(出資比率を高めることも含めて)すべてが選択肢だと思う。

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