“弱小”という危機感
そうした考え方ができるのも、それぞれの出身母体が“弱小”で1社単独では生き残れないという危機感を社員一人ひとりが抱いていたから。三菱重工のフォークリフト事業にしても、かつては年1000億円前後の売上高しかなく、同4000億円を超える世界首位の豊田自動織機の背中は遠かった。
それが短期間で瞬く間に4社が統合したことで、17年度の売上高は4300億円を超え、世界3位の座は磐石だ。豊田自動織機や独キオンの世界トップツーの背中も見えてきた。
過去のしがらみを断ち、自前主義を廃し、互いにノウハウやスキルを吸収して総合力を発揮する。「背番号」を気にさせない「スピード統合」で世界市場で存在感を増す三菱ロジスネクスト。その統合術は三菱重工の新しい事業再生スキルになるかもしれない。
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