日本の重厚長大産業を代表する三菱重工業。国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」の開発は遅れ、大型客船建造では巨額損失を計上。果敢な構造改革で復活を遂げた日立製作所と比べると、変化への対応の遅さが際立った。

 そんな三菱重工を「沈む巨艦」に例える向きもあった。だが、巨艦は蘇っていた。20年に及ぶ経営改革が着実に実を結びつつあるのだ。持ち味の愚直さを生かして取り組んできた改革の中身とはいかなるものだったのか。