この義務を履行してもらえるよう50の域外国・地域と協議を進めてきました。そこでIUU対策が不十分な可能性があると判断すれば、我々はまずイエローカードを示します。そして、当該国がどのようなIUU対策を行っているか詳細な調査に入ります。イエローカードの対象国はこれまで24カ国・地域に上ります。
長期間にわたってイエローカードの指定を受けたままの国もあります。この中には技術的にIUU対策を十分にできない発展途上国が含まれます。EUはこうした国への技術的援助も行なっています。
調査を通じて、IUU対策が不十分で改善の意思もないと認定されれば、レッドカードの提示となり、EUに魚介類を輸出することができなくなります。これまで、カンボジアやコモロなど6カ国が対象となっています。認定理由はほぼどこも同じで、漁船を監視するシステムがない、適切な罰則がない、規制の枠組みが古くて適切にアップデートされていない、といった内容です。
イエローカード、レッドカードの判断は欧州委員会や欧州理事会で議論し、認定理由も公表しています。
日本とも情報交換で連携

域外国の調査はどのように行われるのでしょうか。
カーロス:第一段階は簡単な内容です。主に公表されているデータを精査します。もちろん、対象国との協議に入る際に非公表情報の提出も求めますが、情報ソースは当事者だけではありません。日中米韓、そしてガーナとIUU対策のためのワーキンググループを設置しており、対象国に関する情報を交換しています。
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