これから最盛期を迎えるサンマ漁。今年も歴史的不漁が予想されている。気候変動や外国船の台頭──。日本の漁業の周辺では暗い話題が続いている。
だが衰退の真の理由は、効率化を先送りし、乱獲を見過ごす国内漁業界にある。世界的に見れば漁業は有望産業。海外の胃袋はヘルシーな魚食を急速に求め始めている。ライバルの国・地域は大型漁船やハイテク養殖場に投資し、着々と利益を積み上げている。
このままでは、独り負けは避けられない。復活には何が必要か。
シリーズ
完結
これから最盛期を迎えるサンマ漁。今年も歴史的不漁が予想されている。気候変動や外国船の台頭──。日本の漁業の周辺では暗い話題が続いている。
だが衰退の真の理由は、効率化を先送りし、乱獲を見過ごす国内漁業界にある。世界的に見れば漁業は有望産業。海外の胃袋はヘルシーな魚食を急速に求め始めている。ライバルの国・地域は大型漁船やハイテク養殖場に投資し、着々と利益を積み上げている。
このままでは、独り負けは避けられない。復活には何が必要か。
IUU漁船への対策が世界で大きな課題となっている。IUUとは違反・無報告・無規制を意味し、無許可操業、漁獲量の報告義務を怠る行為、禁漁水域・魚種の漁獲などを指す。この問題で大きな動きを見せているのがEUだ。
太平洋クロマグロの資源管理などについて話し合う国際会議が終了した。日本も合意をしたが、思惑とは違う方向に議論が進んだ。米国のNGO(非政府組織)、ピュー財団のジェイミー・ギボン氏に、水産庁の主張への評価を聞いた。
日本の漁業は他国と比較しても、国内の他の第一次産業と比較しても、IT化で出遅れている。効率的な漁獲や資源管理に有用なはずのITの導入がなぜ日本漁業では進まないのか。はこだて未来大学マリンIT・ラボの和田雅昭所長に聞いた。
大手水産会社は養殖技術の開発に注力してきた。高級魚種、クロマグロの完全養殖が商業化に至るなど、成長の原動力になっている。マルハニチロ、日本水産はどんな課題認識と成長の青写真を持っているのか。両社の役員に聞いた。
漁業で成功を収めたノルウェー。回転寿司でおなじみになったサーモンだけでなく、サバなども世界各国に売りさばく漁業大国だ。成功の裏には、魚の付加価値を最大限に高めようとする国家レベルの方針があった。
枯渇しそうなクロマグロを守るために期待されているのが完全養殖だ。世界で初めて完全養殖に成功した近畿大学は今、技術の向上に向けて研究を続けている。奄美大島にある同大学のマグロ養殖拠点から、その動きをレポートする。
獲れなくなった魚の代表例として思い浮かぶニシン。かつて多くのニシン長者を産んだが、現在の漁獲量は往時の1%にも満たない。枯渇の背景には、質より量を追い求め、規制を設けずに漁を続けたことがある。それは今も変わらない。
サンマ不漁、太平洋クロマグロの漁獲枠削減…。日本の漁業ではこんなニュースが続いていますが、世界的に見ると漁業は成長産業。なぜ日本では暗い話題が多いのでしょうか。その真相を探りました。
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