世界で繰り広げられる人材獲得競争に勝つために

若い人材を登用する2つ目の理由は何ですか。
マクダーモット:社外の魅力的な人材を惹きつけるためです。
「War for talent(人材獲得戦争)」という言葉があるように、今ではソフトウエアの優秀な人材の争奪戦を、グローバル企業同士が繰り広げています。IoTの広がりや企業のデジタルシフトによって、ソフトウエア人材は、我々のような業界だけでなく、製造業も積極的に採用するようになりました。米グーグルや米ゼネラル・エレクトリック(GE)など、あらゆる産業でソフトウエア人材を必要としています。
そうした競争の中で、若い人材にSAPを就職先に選んでもらうためには、もちろん報酬も大切ですが、「その会社で何ができるか」が非常に重要になります。若い時から大きな仕事を任せるというのは、そうした時代に対応する意味もあります。
そして、若い人材の登用を積極的に進めている3つ目の理由は、SAPのこれからのビジネスに若い世代の感覚が必要不可欠になるからです。
一例を挙げましょう。例えば、カーシェアリング・サービスが世界的に広がっていますよね。現状、こうしたサービスを利用しているのは、自らクルマを保有せず、スマートフォンを使いこなす人々です。その多くは、若い世代であり、彼らの消費行動は多くの点で従来とは異なります。その行動を理解するためには、SAPも消費者と同じ感覚を共有している必要があるのです。
若い感覚を組織に取り入れなければ、これからの時代のサービスや製品開発を、我々の顧客企業と共に創造していくのは難しいでしょう。
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