日産との提携、3週間でスピード決着

2017年度第1四半(4~6月)期は売上高4409億円、営業利益206億円。営業利益は燃費不正が発覚した16年度第1四半期の4.5倍に回復した

燃費不正が明らかになって以降、日産自動車と提携を結ぶまでが非常に迅速でした。

益子:16年4月20日に記者会見をして、その翌日に(日産自動車現会長のカルロス・)ゴーンさんに連絡をしたら、たまたま横浜にいて会えた。助けを求めた時に「全力で助けてあげるよ」と言ってくれたのがスタートです。ゴーンさんや(同CEOの)西川(廣人)さんといった日産の経営陣と日ごろから付き合いがあったのが大きかったと思います。

 10月20日に提携を結ぶまでの6カ月間は……何て言えばいいのか、言葉は悪いけど、逃げ出せるなら逃げ出したいという気持ちでした。本音で言えば。

 でもその間、人のありがたみも痛感することができました。「がんばりなさい」と言ってくれる人もたくさんいた。手紙ももらった。ゴーンさんみたいに「必ず乗り切れるから」と励まし続けてくれた人もいた。一方で、厳しいことを言う人もいた。両面だった。

その6カ月で最もつらかったのはどの時でしたか。

益子:日産との提携をとにかくまとめなければ会社がダメになる。そんな思いでした。これまであまり言ってこなかったのですが、MMCの株価は当時1000円くらいで、発行株数が10億株。市場価値1兆円くらいの会社だったのですが、燃費不正問題が起きて株価が420円とか430円くらいになって、「誰かに買われたら……」と思うようになりました。

 5000億~6000億円もあればMMCを買うことができる。そんな会社、世界にいくらでもあります。そんなことが起きたらどうしようと考えていたら、実際に動きがありました。日本の会社ではないですよ。「どこの国ですか?」と聞かれたら、「人口の1番多い国や2番目に多い国」という言い方をしているんですが、そんな国々の会社です。もしそうなったら従業員や家族は幸せなのかな。そんなふうに考えるようになりました。

 日産なら、軽自動車の合弁会社を一緒にやっていましたし、気心も知れている。ゴーンさんともいろいろな話をする中で、「日産ならうちの会社に対してちゃんと向き合ってくれる」という確信みたいなものを持つようになりました。

 ゴーンさんに会いに行ってから3週間後の5月12日、提携を発表することができました。自分でも「よく3週間でできたな」と思います。