ポケモンGOに必要なのは都会から地方へと人を動かすモチベーションとなる仕組みづくりだ。仕組みさえ整えれば、結果はおのずとついてくる。ポケモンGOでは今のところ目立った効果の出ていない秋田でも、位置情報ゲームを活用した観光振興の成功例はある。ユーエム・サクシード(東京都渋谷区)の「発見! ニッポン城めぐり」だ。

 全国3000カ所の城郭データベースを備えた同ゲームは、アプリを起動するとGPSで位置情報を把握。近くにある城や、かつて存在した城をスタンプラリーのように「攻める」ことができる。攻めた城はアプリ内のコレクションに加わり、あとから自分が「落城させた」一覧を眺め、戦国武将の気分になって楽しめる。

発見! ニッポン城めぐりのゲーム画面。日経ビジネス編集部のある東京・白金高輪近くでも、宝永7年(1710年)に築かれた史跡を発見

 ユーエム・サクシードは2015年10月から2016年5月まで、秋田県男鹿市で地域限定スタンプラリーを実施。従来の3000カ所に含まれていなかった、よりマニアックなご当地の城データを期間限定でゲーム内に登場させた。同社の三原淳平プロデューサーは「約7カ月の期間中に3000人が男鹿市を訪れた」と実績を誇る。「発見! ニッポン城めぐり」の登録会員数は約10万人と小規模ながら、仕組みづくりの上手さで誘客に成功した。

 ポケモンGOは配信3日で国内のダウンロード数が1000万件を超えたとのもいわれる。この巨大なプラットフォームを地方創生に生かせるか。ポケモンGOの誘客ツールとしての真価が問われるのはまだまだこれから。機能追加やアップデートに期待したい。

*当連載は、日経ビジネス2016年8月22日号特集「世界を変えるポケモンGO これから起こる革新の本質」との連動企画です。併せてこちらもご覧ください。