グーグルからナイアンティックが独立した際は、どんな影響がありましたか?
宇都宮専務:技術的なことも含めて、いろいろな影響がありました。僕が(独立を内々に)知ったのは、協業が始まってすぐの4月とか、5月とか、そのくらいなんですけれど、社内で「とんでもないことになったぞ」と言ったのを覚えています。
ある時、何かおかしいぞと思ったんです。メールのやりとりを通じて、いろいろとおかしな話が担当者から来たぞと。でも実はその時、向こうの担当者も独立のことは知らなかったんですね。
で、ハンケさんに「気になっていることがあるから時間をください」と言って、米国へすぐに行きました。そうしたら、「まだ誰も知らないけれども、実は独立を考えている」と打ち明けられて、「えー!」と。
ここからは、向こうも相当、大変だったと思います。「僕はグーグルに残るよ」という人もいっぱいいるので、独立したら人がいきなりいなくなるわけです。もう平常時ではないわけです。
こちらとしても、もともと“大グーグル”と一緒に共同事業をやると言っていたものが、ベンチャーとやることになるわけで、前提が変わるじゃないですか。ああだこうだ、わあわあとやりながら、(出資も含めた)急展開があったというわけです。
「プロデュース会社」としてサポート
ポケモン側としてはどう捉えていたのでしょうか。

宇都宮専務:ハンケさんとしては、これからどうなるか正直、自分たちも分からないけれど、ただ、前向きに捉えていると。僕らとしても、独立したとしてもポケモンGOはやりたいと思っていたので、じゃあ、そこはうちが引き受けますとか、いろんな面でサポートをしていこうと。
もともと、うちは「プロデュース会社」の側面もあって、パートナーが困っていることを補足したり、支援したりすることについては、結構、慣れているんですね。
それに、社内の「ポケモンGO推進室」の室長は、(ポケモンシリーズの開発を担当する)ゲームフリークさんを相手にずっとそういうことをやってきた江上周作という人間。彼がひたすら献身的にサポートに回り、ナイアンティックにも「アメージングサポート」と言ってもらえたので、そこは彼がいて本当によかったなと思っています。(続く)
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