あと、土木の技術は、新幹線と共通するところはあるのでしょうか。

寺井:ありますね。

小牧(研究施設)との連携もある?

寺井:いろいろとやっていまして、例えばシミュレーションでこの車両がこう動いているときに、(車両の周囲に)どういう空気の流れができるか、とかは共通の技術ですから、そこは連携してやっています。

まだリニアは発展する

今リニアの技術は、1962年から始めて、50年以上が経ちます。さらに今から大阪開業まで、あと20年ぐらいかかりますね。合わせると70年を使っている。

寺井:そうです。

それでリニアができて、次のJR東海の挑戦は何になるか、もうイメージをしているんでしょうか。

寺井:まずは、リニアの技術を完成させることが重要だと思います。まず10年後に名古屋まで開業しますけど、次にまた10年ぐらい後に大阪開業がある。その中で、当然、技術のブラッシュアップや進展はありますから、まずは大阪までの約20年間を使って、技術をさらにいいものにしていくことは必要だと思います。

 あと、海外展開ができれば、ということで米国で北東回廊をやっていますので、さらに技術を発展させて(世界に)広めていくことが課題になってくると思います。

東海道新幹線が開業する前からリニア計画が走っていたように、リニアが開業する前に、次世代の大きな計画が動いていることはない?

寺井:よく、その質問を受けますがなかなか、これはどうでしょう。時速1000kmというのは、それはちょっとね。時速1000kmになると、飛行機にした方がいいな、と。まあ、これは10年、20年の間で次の課題を見つけていくということだと思うんですけれどね。

70年かけて完成するということは、最初に関わった人は、当然もう社内にいらっしゃらないわけですね。

寺井:そうです。だから3世代か4世代ぐらいの開発期間ですよね。だいたい1人の開発者が関わるのは20年ぐらいと計算すれば、3世代か4世代になりますから。

もうこれは、世代をまたいで技術を伝えながらやってきた大きなプロジェクトになりますね。

寺井:我々は常に思うのですが、やっぱりこの技術は次の世代へ伝えていかなきゃいけないんですね、次世代の人に。それを常に念頭に置きながらやっていくことが大事です。

大阪開業、20年後ですから、まだまだ先ですね。

寺井:まあ、これからいろいろな可能性が出てくると思います。IoT(モノのインターネット)とかAI(人工知能)とか、今いろいろな企業がありますけれども、ここも取り入れることは当然あるかと思うんです。それも我々は念頭に置いています。そうしたことも含めて、まだまだこれから発展性があると思います。

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