談合疑惑のゼネコンも除外しない

リニア談合事件で、国交省や東京都は大手ゼネコン4社を指名停止にしました。しかし御社は結局、そういう処置は行わなかった。司法判断で展開が変わることはありますか。

宇野:決めていることはありません。ただ、地元自治体、これは国でもそうですけど、起訴されたら指名停止というルールにされている。なので、ほぼ自動的に指名停止を何カ月かかける。まだ(談合かどうか)争っている会社もありますし、これ(リニア)を早く進めろというのも一方で国から要請がある。今、大手4社を最初から除外して発注手続きをするというのは、この瞬間においてはあまり得策ではない。ただ司法判断がどういう判断か、という話もあろうかと思いますし、その時点で対処の仕方を決めていく。

起訴されている大手4社も含めて発注作業をしていくと。

宇野:そうですね。技術力が間違いないので。

リニアの収支は、どのように見ていますか。名古屋までと、大阪までと。

宇野:リニアの収支をいうのは、あまり適切ではないというか、言葉としてはあまり合っていないと思っています。このプロジェクトは東海道新幹線の新しいバイパスを造るというもの。名古屋までが第1期。大阪までの第2期も含めてバイパスができます。そうするとリニアと東海道新幹線の2本立てになります。東海道新幹線が機能を失うとか、ローカル線になるということではなく、大変重要なツールとして使い続けます。

 弊社としてはリニアと東海道新幹線をいかに使い分け、収益をできるだけ拡大していくかということなので、片方だけの議論をしてもうまくいかない。リニア建設中もそうですけど、東海道新幹線で稼ぎ、リニアができたところで、このぐらいの収益を2つで得られるだろう、というのを堅めに見ながら、上場会社として健全経営、安定配当をしながらプロジェクトを進めていく。出来上がったところで建設時の借金(財投)を着実に返済できるというところを堅く見て、「いける」という判断をしていることなんです。

堅く見ているというのはリニアと東海道新幹線と合わせて、どれぐらいの収支が上がっていく?

宇野:新幹線の収入は10年のころの試算で、名古屋まで開業した時点で、収益が5%多くなると。それで10年かけて10%に増えると。

 あと大阪までの開業のときに、建設期間10年程度として、その間、借金がまた積み重なって、開業するとこれ(収入)が15%(増える)。その時点からは航空の利用者も取り込めるし、15%というのが見通しです。トータルで使っていったときに、ここまでは収益が確保できるだろうという見通しなんです。

一方で、リニアに建築コストを9兆円かけたとして、その後、年間の維持運営費と設備更新費で年4200億円かかっていくと試算されています。

宇野:ランニングコストは今、山梨実験線を使いながら、リニアがどの程度の見込みか検討を進めている状況です。(年4200億円という)2010年頃の試算をやったときは、その時点までの山梨実験線での経験ですね。それと東海道新幹線の設備補修の実績を見ながら、これは堅めに設定している。当然開業したら、そういう経費が掛かるということは基本でやっていく。