想定がどうなるか。去年からのリニア談合の問題もありました。

葛西:談合は、我々はまったく関係ないからね。

でも、ゼネコン側の幹部の方と話をすると、JR東海さんの工事、このままやっていくと採算が厳しいから、話し合ってしまった面がある、と。

ゼネコンとつばぜり合いはやったらいい

葛西:それは彼らが勝手に話したこと。要するに、彼らは「もっと高く契約を結んでくれ」と思ったんですよ。我々は「いや、もっと安くできるだろう」と。こちらも技術者がいっぱいいますから、厳しい折衝になったと思うんだけど。それについて、どうやったのか僕は知りませんよ。

ゼネコンにしてみれば、技術開発や研究とか、一緒にやってきたんだから、利益が薄いときついと思った。

葛西:だから、新しいタイプの工事もあるし、ゼネコンの最新技術は各社ありますから。日本の建設技術、鉄道技術の粋を尽くしてやろうということです。互いに情報交換したり、勉強会をやったりしたことはあったと思うんですよ。

 だが、契約を結ぶのは、我々としてみれば、やっぱりこの範囲内で上げたい、できるはずだと思っている部分はあるし、向こうは10年もかかる工事だから、その間に物価がどう変わるか分からないリスク要素もある。少しバッファーを取りたいということもあって、だから、いろいろ知恵を出し合い、契約をいくつかに区切ったりする。

 この辺はプロの世界で、素人が口出すことはない。私は会社として方針を決める。あとはプロがつばぜり合いをやるわけです。そのつばぜり合いで、法律に触れたかどうかは、これは彼らの話です。

でもゼネコンからすると、我々も悪かったけど、「発注者責任もあるんじゃないか」という思いがある。

葛西:発注者責任? 民間企業の工事ですから、公開競争入札にする必要はないので、ここ(の会社)がこの分野は得意だと(すれば)、「あそこにやらせる」という髄契(随意契約)でいいわけです。その代わり金額については徹底的につばぜり合いをして、たたき合いますよね。今度は「1対1でやるぞ」ということにはなるかもしれません。それは発注者と受注者は常に一緒の方向を向いてはいるが、しかし契約金額という点では向かい合って、つばぜり合いは大いにやったらいいと思う。

金額のことでいうと、リニアの車両の開発をした三菱重工業が撤退した。やっぱり金額が折り合わないと。もう、倍ぐらい差があるという声もある。JR東海と請け負う企業と、金額の差が結構開いてきているのではないか。

葛西:そんなことはないですよ。1両12億円で造るということでこちら側が投げたのを、三菱重工は「それでは造れません」と言ったんですよね。今、東海道新幹線の車両というのは、1両3億円ぐらいでできている。リニアの1両は4倍の値段ですよね。それで我々は十分造れるはずだと思いますよね。現に、日本車両と日立は「それでやらせていただきます」と言っているわけだよね。だから僕は三菱重工の場合は軍需産業で、ものすごくマージンが高いんだと思うんですよ。三菱重工の特殊事情であって、それは一般的にJR東海が高いものを安く買おうとしているからではないんですよ。