3分の2は「失速(ストールアウト)」あるいは
「急降下(フリーフォール)」に分類される

 さらに年間1000億円以上の上場企業の時価総額、並びに売上の伸びを分析してみたところ、2005年から2015年の10年間に売上、時価総額共にマイナス成長である企業が実に22パーセント、10年間の時価総額の伸びが1.2パーセント(日経平均)以下で売上成長率が2.2パーセント(上場企業平均)を満たすことができない企業が44パーセントに上りました。個別企業の詳細は分析していませんが、財務的状況を見れば日本の大企業の3分の2は「失速」あるいは「急降下」状況にあることになります。

 先ほど述べましたように日本では新興企業の台頭が他国と比べて緩やかであり、国内市場が大きいため、国内で地歩を築いた大企業が「失速」状態で長らえることが多いのではないかと思われます。その結果、「失速」状態にある際に打つべき手を打たず、一気に「急降下」状態に入るのではないでしょうか。

 「急降下」状況になった時に取れる打ち手は限られています。言い換えれば、逆にはっきりしているとも言えます。それは以下の5つのステップに集約されています。

1 第二創業チームを結成する
2 「コアのコア」にフォーカスする
3 尖りを再定義する
4 会社を内側から再創業する
5  新たなケイパビリティに重点的に投資する

 この5つのステップを十分に実行できなかったシャープは鴻海に買収され、ヘルスケア事業の売却やB2Bへのフォーカスなどいくつかの項目に対応したパナソニックは最悪の事態を逃れました。

 しかし、日本企業の場合、書籍『創業メンタリティ』で取り上げたようなグローバル企業の事例でみられるように、経営陣の過半の入れ替えにより新たな再創業チームを作り「創業メンタリティ」に忠実に会社を作り変えることは起こりにくく、将来に向けた本格的な再生が起こせるかに懸念が残ります。