第一世代の先人達が世界に示してくれた「創業メンタリティ」は、欧米企業にも研究されるほどのグローバルスタンダードでした。しかしながら、第一世代が創業目線を失い、第二世代も輝きを取り戻すほどの存在感がありません。これに続く世代からは起業マインド自体が希薄化し、新たな息吹を吹き込む新興企業が生まれなくなります。これは日本経済にとって由々しき事態です。

 ■図4は企業の年齢別にどれだけ雇用を生み出したかを示したものです。

■図4 高齢企業は人員を削減し、若い企業が職を生み出す
注: 企業の年齢は2006年10月1日現在。2001年の調査時には創業しておらず、2006年の調査に含まれている企業もある。その場合には、雇用創出数が過大評価されている可能性がある

出所: 深尾京司、権赫旭“In search of the engine of Japanʼs economic recovery”

若い企業が雇用を生む、高齢企業には贅肉がつく

 見ての通り高齢企業はどうしても余計な贅肉がつき、人員を削減する側になります。逆に、若い企業が職を生み出しています。若い企業が生まれてこないということは、雇用の創出が行われないことと同義とも言えるでしょう。

 これが日本と米国の大きな差なのです。上場企業の創業からの年齢をみると実に日本企業の平均年齢は61歳、米国企業は31歳と倍ほどの差があります(■図5)。

■図5 日本企業と米国企業の平均年齢には2倍の差がある
出所:CapIQ

 その差は見てのとおり若い企業の多寡なのです。大企業の復権、新興企業の尖った大企業への進化、スタートアップ企業の増加、いずれをとってみても「創業メンタリティ」が百花繚乱することは、日本経済全体を成長のサイクルに乗せる国家的課題であると筆者は信じています。