「創業メンタリティ」は現在勃興中の新興企業にとっても重要な示唆があります。これらの新興企業が「創業メンタリティ」を保ったまま尖った大企業に成長し、次世代のリーダーとして活躍しなければ、起業家が夢と大志を抱いて成功を掴み取る「起業家の系譜」は途絶えてしまいます。

 次に、創業者が起こした企業(創業企業)の、年代ごとの時価総額の成長の推移を見てみましょう(■図2)。先ほど挙げた先人達がつくった第一世代創業企業と、1990年以降に上場をはたし、一定規模を超えた第二世代創業企業の合計で日本企業の時価総額の35パーセントを占めています。

■図2 創業企業の時価総額は市場全体の35%を占める
※ 第二世代の創業企業とは、1990年以降に上場した企業で上場時に創業者が代表取締役に就いていた企業(2014年時点での時価総額が500億円以上の会社のみを対象にしており、また上場時に3000億円以上の時価総額の会社は除く、また2014年時点で上場廃止の企業も除外)。

注: 企業の時価総額に関して、1970年~1989年は年度末の数字を用いており、1990年~2014年は決算期末の数字を利用

出所:SPEEDA、ベイン・アンド・カンパニー分析

起業家の成功ストーリーが、桁違いのレベルで必要

 しかしながら、その内訳をみると第一世代が過半を占めているのがわかります。第二世代で大きな時価総額を生み出している企業はソフトバンク、ファーストリテイリング、楽天くらいで、その他はまだ規模が小さいままです。この第二世代のさらなる成長、そして輝かしい起業家の成功ストーリーが、桁違いのレベルで必要です。

1990年以降に上場をはたした企業で、大きな時価総額を生み出している企業には、三木谷浩史氏が創業した楽天、孫正義氏が創業したソフトバンク、柳井正氏が創業したファーストリテイリングくらいしかない。これら企業のさらなる成長、そしてさらに次の世代の起業家の成功ストーリーが、桁違いのレベルで日本には必要だ。(写真=北山宏一)

 なぜなら、■図3にあるように、周りに起業家がいないことが若い世代の起業意欲にも影響を与えるからです。

■図3 周りに起業家がいないことが、若い世代の起業意欲にも影響する
注: 複数回答のため、合計は100%にはならない、回答した割合が5%未満の選択肢は表示していない

出所: 中小企業白書2014 35歳以下を対象としたアンケート調査結果