成長の危機は予期できる

 私たちがここで紹介する危機は3つあります。企業の成長段階によって発生する危機の種類は変わります。

あらゆる企業が見舞われうる
3つの内なる危機


①「過重負荷(オーバーロード)」

②「失速(ストールアウト)」

③「急降下(フリーフォール)」

 ひとつ目の危機は「過重負荷(オーバーロード)」。成長著しい新興企業がどんどん規模を拡大しようというときに、経営陣が経験する、社内の機能不全と対外的な勢いの喪失を指します。

 ふたつ目は「失速(ストールアウト)」といい、成功を収めた企業の多くで突然発生します。急速に成長するうちに組織が複雑化・階層化し、かつて組織にフォーカスと活力を与えていた明確な使命が見失われて、業績に突然ブレーキがかかるのです。

 これは企業にとって、方向感覚を失う時期です。アクセルを踏んでも成長のエンジンが回らなくなり、勢いに乗った後発企業に追いあげられます。多くの会社にとっては失速状態から完全に脱することは難しいと言えます。

 3つ目は「急降下(フリーフォール)」。存在自体が危機にさらされる状況を意味します。急降下状態に陥った企業はコア分野で成長が完全に止まり、最近まで成功を支えていたビジネスモデルが急に通用しなくなります。時間はほとんど残されておらず、もはやコントロールできないと考える経営陣も少なくありません。そもそもの原因が特定できないので、危機を脱するにはどんな対策を講じればいいかもわからないからです。

 これら3つの危機は、起業後しばらくは順調に成長してきた企業の、非常に大きなリスクとストレスを示しています。

 ただし、救いもあります。成長の危機は3つとも予期可能であり、気をつけていれば避けられることが多いのです。危機に伴う成長の阻害要因に備え、さらにはうまく利用して変化を起こすことさえできるのです。

創業目線とは何か

 わたしたちの主張は、シンプルかつ深遠な真実をベースにしています。

 持続的成長をなしとげる会社は、違いもありますが、事業を軌道に乗せた野心的で大胆な創業者に共通に見られる態度と行動を持ち合わせているのです。

 社内的な特徴を維持しながら、収益の伴った成長をとげた企業は、自らを革新勢力だと考えています。満たされていない顧客のために業界基準や業界そのものに戦いを挑み、まったく新しい産業を打ち立てようとします。