ネット通じて消費者のリアルな声が分かった
商品発売後の販促活動に、ネット通販サイトの顧客データを活用する例も出始めた。日本製紙クレシアは、ネット通販サイト「LOHACO(ロハコ)」の顧客データを活用した。通常のトイレットペーパーよりも紙の巻きを3倍に増やした「スコッティ フラワーパック 3倍長持ち」をロハコで先行発売。売れ行きや顧客レビューをもとに、小売店での販売価格や商品パッケージを決めた。
日本製紙クレシアの営業推進本部長代理兼eコマース部長の高津尚子氏は「ロハコのデータから消費者のリアルな声が分かった」と振り返る。
花王が9月下旬に全国のドラッグ店などで販売を始める「髪色サプリ」。染色後の髪が黄色味を帯びてくるのを防ぐ髪ケア商品だ。パッケージに大きく印刷される予定の「週に1~2回の利用でOK」という文言は、同商品を今年3月、アマゾンや楽天市場で先行発売したときには存在しなかったものだ。
この文言が加えられることになったのは、アマゾンや楽天で購入した顧客のレビューに、同特徴が便利な点としてよくあげられていたから。「ネット通販は、これまで販売チャネルの一つとしての位置づけだった。これからはマーケティングの場所として活用していくことになる」。花王のデジタルマーケティングセンターデータサイエンス室の佐藤満紀室長は語る。
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