買い物をしていて「どれにしようか迷う」ことに、消費者が疲れ始めている。仕事は多忙で時間が少ないのに、どこへ行っても商品はあふれ、スマートフォンで情報も過剰に入る。「消費者は多様化しており、品ぞろえは多いほどいい」というのは遠い過去の常識。顧客が本当に欲するものを作って、おすすめができれば、商品はずっと少なくていいはずだ。徹底して顧客に寄り添うことで、新たな事業モデルを生み出せるか。手探りで進む企業にヒントがある。
シリーズ
もう迷わせない! 消費多様化の終わり

完結
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5回
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消費者データ、企業間で共有すれば効果大
経済産業省は「新産業構造ビジョン」まとめた。「スマートサプライチェーン」構築に向けて企業が消費者ニーズを共有することが重要という。取りまとめの座長を務めた学習院大学の伊藤元重教授に聞いた。
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パルコ店員の接客は来店前から始まる
実店舗が消費者の求めているものをくみ取り、的確なおすすめにつなげるのは難しい。パルコはスマートフォンアプリを開発し、来店前から「接客」を始めることで、一人ひとりにあったおすすめを実現した。
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「商品は1種類だけ」の店はなぜ人気なのか
焼きたてのチーズタルト、トリュフパスタなど、一店舗一商品という割り切った戦略が顧客に好まれる時代になった。商品が多様化することで消費者が選び疲れを起こしているようだ。
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花王、マツキヨ、ハウス…情報で商品革命
データを活用し、「売れるものだけを作る」という理想に向けて、メーカーや小売業が動き始めた。消費者のニーズを的確に汲み取り、商品開発やマーケティングに反映させることで、結果として消費者を「迷わせない」的確な提案につながる。
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歯みがき粉、100種類から選べますか?
選択肢が多すぎるのではないか。そんな疑問を抱いたからには、店頭の商品数を確認せねばなるまい。都内のスーパーに足を運んでみると、日用品売り場には103種類の歯みがき粉が並んでいた。果たして、そんなに多くの種類が必要なのか。
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