2020年東京五輪は、何が「レガシー(遺産)」となるか。ハード面だけではなくソフト面のレガシーとして注目が集まるのが「ボランティア」だ。スポンサー企業などが、あの手この手で社員のボランティア活動を促進する施策を導入し始めている。

東京五輪で日本にボランティア活動は広がるか(写真:時事)

 2020年東京五輪パラリンピックが残す「レガシー(遺産)」は何か。大会後の事業化を視野に、水素エネルギーの活用、都市のバリアフリー化、データを活用した混雑緩和など様々な計画が動いている。

 1964年大会のレガシーは高速道路、新幹線など都市インフラだった。今回の五輪ではより過ごしやすい暮らしを呼び込む「ソフト」の充実に焦点が当たっている。そんな中、「残したいものがある」と小池百合子・東京都知事が強調するのが、ボランティアだ。日経ビジネス7月30日号の特集「沈まぬ東京」では、ボランティアの全国データベースを立ち上げるパソナの取り組みを紹介した。多くの企業が、ボランティアを「味方」にしようと策を練り始めた。

 「五輪パラリンピックでのボランティア経験は社外での人脈作りの絶好の機会だ」。富士通の大谷真美・東京オリンピック・パラリンピック推進本部ホスピタリティ・ボランティア推進統括部長はこう話す。富士通は社員のボランティア参加を積極的に推進しており、大会期間中は都内に住む同社OBなどにボランティアを「ホームステイ」で受け入れてもらうように呼びかける。

 東京五輪パラリンピックの最高位スポンサーである富士通は300人のボランティアを送り込む計画という。希望者を募集すると全国の事業所から約2000人の応募があり、すでに選考で300人に絞り込んだ。大会までに独自の研修を実施し、ボランティアリーダーとして活動できる人材を育成していく。大会後はボランティア経験を「キャリア」として評価する可能性もあるという。

 2020年東京大会は、オリンピックが7月24日から8月9日、パラリンピックが8月25日から9月6日の日程で行われる。ボランティアの業務は、会場での案内やセキュリティーチェック、海外要人のアテンド、運営のサポートなどだ。大会組織委員会による募集は8万人。1日の活動は8時間程度、10日以上の参加が基本となる。9月中旬から募集する予定で、2019年秋以降に研修を実施。その後に役割を分担して本番に備える。東京都も別途3万人を募集する。

2020年東京五輪パラリンピックのボランティア募集の概要
大会ボランティア 都市ボランティア
運営主体 大会組織委員会 東京都
募集人数 8万人 3万人
活動日数 10日以上が基本 5日以上
スケジュール
2018年 9月中旬〜12月上旬 応募登録
2019年 2月〜 面談、説明会など
10月〜 共通研修
2020年 3月 役割・会場が決定(都市ボランティアは採用通知)
4月 リーダーシップ研修など
6月 会場別研修
7月 五輪開始