五輪後の警備業はどのように進化するとみているのか。

青山:まず、守る範囲が拡大していく。これまで会社や個人の住宅が中心だった警備の対象は、国や自治体の施設からイベント空間などへと広がるだろう。入り口だけでなく、施設の中の監視も求められる。現場の人は少子高齢化でどんどん少なくなる。例えば企業の守衛さんが減っていくと、我々の警備員は一人で何役もこなさなくてはならなくなる。テロ対策、事故防止という面では「事後から事前へ」がキーワードだ。それも、フィジカルな面とサイバーの面での対応が必要とされる。

2016年リオデジャネイロ五輪では銃を持った兵士らが警備にあたった(写真=AFP/時事)

 企業や団体による業務のアウトソースは加速していく。当社は金融機関の仕事を多く引き受けてきたが、従来の現金運搬や常駐警備のほか、ATMの点検など店舗内のことも担っている。金融機関は本来の業務に絞り込み、現場の管理を我々に任せるようになった。

警備と介護の関連は強まる

 交通関連や橋、トンネルなど老朽したインフラを点検する業務も増えていくだろう。施設の経年劣化を調べ、事故を防ぎながら、どう長持ちをさせるか。そういった課題は特に地方に山積している。従来の警備会社のイメージとは随分違ってくるが、自治体などと一緒になって対策を考え、地域の活性化を支えられるといい。

介護事業もしているが、警備との関連性をどう考えるか。

青山:もともとは、一人暮らしのお年寄りがいるケースで、異常があったら駆けつける必要があった。駆けつけたら当然、介護の知識がいる。それで訪問(の介護)を始めた。老人ホームなど施設の警備でも、普段と違う動きをしている人がいたら対処しないといけない。無理やりではなく、いろんな要因が重なって、警備と介護をするようになった。北九州市ではタクシー会社と共同で「見守りサービス」を始めた。認知症の人などにタグをつけてもらい、街中で発見しやすくする取り組みだ。高齢化と過疎化が進むなか、警備と介護の関連性はさらに強まってくるはずだ。