日経ビジネスでは7月30日号特集「沈まぬ東京 五輪後『悲観論』からの脱却」で、2020年の東京五輪・パラリンピックの開催後の反動も予想される中、五輪という機会を活用して社会にインパクトをもたらす事業を模索する企業の取り組みや、2020年代の東京に真の競争力をもたらすための提言をまとめた。開催まで2年を切った今こそ、東京の課題と強みを正しく認識し、将来の経済・社会づくりの基盤を整えることが求められている。

 そのカギの一つとなるのが訪日外国人客への対応の充実だ。訪日客の数は順調に増加し、今年は年間3000万人を超えると予想されている。今後のさらなる増加のためにはリピート率の向上も必要になる。そこで重要になるのが、より高い水準で旅行者を満足させること。空港の情報発信力向上や世界で進むキャッシュレスへの取り組みも動き始めている。

 「羽田空港は世界から日本への玄関だ。だからこそ日本を紹介することが我々の役目になる」

 そう語るのは、羽田未来総合研究所社長の大西洋氏。同社は、羽田空港旅客ターミナルの管理・運営を行う日本空港ビルデングが7月に設立したシンクタンクだ。三越伊勢丹ホールディングス前社長の大西氏をトップに迎え入れ、羽田空港から世界に向けた日本の情報発信に取り組む。

大西洋(おおにし・ひろし)氏 羽田未来総合研究所の社長と日本空港ビルデングの副社長を兼任する。昨年3月まで三越伊勢丹ホールディングスの社長を務めた。

 同社と協力して日本空港ビルデングが打ち出したのが、訪日客向けのポータルサイト「Flying Visit Japan」。7月20日に開設した。スマートフォンやタブレットで調べ物をする世代をターゲットの中心に据え、その細かな関心事にまで応える、満足度の高い情報提供を目指す。

 サイト全体にわたり、中国語、英語、韓国語、日本語に対応。トップページ上部には、天気、為替レート、無料Wi-fiスポット、移動手段の案内といった実用的な項目を並べ、ワンクリックですぐに情報を得られるようにしている。そのほか、都道府県ごとの観光情報を随時追加していくコーナーや、山梨県から見た富士山の様子を毎日更新するコーナーなども用意する。写真を大きく使い、視覚的に魅力を伝えようとするデザインが特徴だ。