国土の「掃除」もデザインの仕事

:歴史を振り返ると、明治維新はいわば隕石が落ちたようなものだった。我々はまだしばらくは文化的混乱の中にいる。さらにこの70年間、国土を工場のように使ってきてしまった。それを一度掃除していくこと、つまり必要なものとそうでないものを見極め管理することが、デザインの仕事だ。都市は計画により作られるものではなく、人の希求や営みの結果として出来上がってくる。だからこそ、人々の欲望の水準を高めることがまちづくりに繋がる。

 「緻密・丁寧・繊細・簡潔」という魅力は日本のいたるところにある。最近では、丸の内の広場の水仕舞や道路面の設計に感銘を受けた。ビルひとつひとつの品質はもとより、あれほどの路面の緻密さを具体化できるのは日本だけだと感じた。まだまだ、日本はやれると思う。そのような文化資源、感覚資源がこれからの日本をつくっていく。デザインやサービスを、かたちや流行と考えないで、価値の本質を見極めていく局面に活用していくことが重要だ。